07
阿弥と別れてから、俺は自宅に向けとぼとぼと歩いていた。
俺「まさか初日からこんないいことがあるとは!家に帰ったら早速阿弥にメールしようっと!」
こんな独り言をプツプツ話しながら家の前に着くと嫌な寒気がした。
俺は足がすくみそこから一歩も動けななくなった。
そして10分ほどだっただろうか。ようやく足が動くようになり家の中へと入って行った。
その時だった。
ドーン!
俺は顔面にとんでもない痛みを感じたのだ。
俺「いてぇ〜!いきなり何すんだよ。珠理奈〜。」
珠理奈「あースッキリしたー。お兄ちゃん、これからは1人で帰っちゃダメだよ。」
俺「なんでだよ。別に今日だって1人じゃなかったよ。」
奈和「へーなら誰と帰ったのかなー?ねぇ珠理奈ちゃん。」
珠理奈「そうだよ。お兄ちゃん。誰なの?」
俺「いやなんでお前らがうちにいるんだ?それに和晃ぼーっとそこで見てないで助けてくれよ。」
和晃「健太、とっとと白状する方が身のためだ。」
俺「裏切り者〜!チッ、絶対にお前らには言わないよ。それに俺が誰と帰ろうと勝手だろ。」
珠理奈「お兄ちゃんの馬鹿!もう知らない!」
そう言って珠理奈は自分の部屋に閉じこもってしまった。
俺「はぁようやく終わったか。和晃、奈和の2人には教えてやるよ。」
和晃「はぁ…お前はのんきだな。妹を怒らせておいて。」
奈和「そうだよ。でも聞かせてもらいましょうか。誰と帰ったのかなー?」
俺「いや…あの…うーん…」
和晃「おーい、誰なんだよ。」
俺「お前は知ってるだろ。悪かったから許してくれよ。」
奈和「ふーん、和晃も知ってるんだ。へー。和晃、教えなさい。」
和晃「そう言われても、弁当を一緒に食べた中にいるよな?」
俺「まぁそうだなぁ。」
奈和「えーそうなの!?んー、阿弥ちゃんでしょ!」
俺「あーそうだよ。付き合うことにもなったよ。これでいいか!満足か!」
和晃「やっぱり、そこまでいってたのか。」
奈和「珠理奈ちゃんが可哀想。」
俺「なんでそうなるんだよ。」
俺はこの後、1時間、和晃と奈和にとことん攻めつ続けられた。
そのせいか、みんなで夕飯を食べたものの、俺は美味しかったとは思えなかった。