05
「北海道から来ました橋本奈々未です、よろしくお願いします」
奈々未があいさつを終えお辞儀をした、その瞬間クラス中の男子から歓声が上がった
すかさず先生が
「静まれ男子共、餓えた狼みたいになってるわよ
じゃあ橋本さんは珠理奈の隣の席を使ってちょうだい
あと校内の案内は誠司よろしくね」
はい?
先生、俺になんて役押し付けてくれるんだよと思うと
その一言を聞いた男子達から俺に向かって羨ましさと憎しみの混ざった目線が飛ばされていた
「はい、じゃあ今日の朝礼は以上で終わりなので授業の準備をするように」
最後に先生っぽい言葉を残し去っていく
その後、教室には人の輪が2つ出来ていた
1つは転校生である奈々未の周りに
そしてなぜか俺の周りにも人が集まっている
まぁいるのはいつもの顔ぶれなのだが
「梅ちゃんからの指名じゃなかったら俺が変わってやるのに
いつも誠司がいいとこ取りかよ
俺も遅刻すれば良かった」
「何がいいんだよ
さっきのクラス全体から向けられた目線がどれだけ怖いか
それに健次は職員室でみっちり説教されるのがオチだろ」
健次とそんな話をしていると珠理奈が
「あんたどうやって橋本さんと話すの?
多分あれじゃあ放課後まであんな感じだよ」
脇にいた高橋も頷きながら不思議そうに俺を見ているので
「分かってるよ
そこで珠理奈と高橋に頼みがあるんだよ」
なんだろうと首を傾げる二人に俺は作戦を伝えた
この二人がいないと出来ない作戦を‥‥