04
ガラガラ〜
チャイムが鳴るなか教室の扉をおもいっきり開けるとクラス全体からの目線が俺に向けられた
俺はそれに一瞬ビックリしながらも皆に挨拶をしながら自分の席に着く
すると後ろから勇一が体を乗り出し
「おはよー誠司、なんでこんな日に遅刻ギリギリなんだよ
皆の期待が下がるじゃん」
「期待?
なんのことだよ、確かになんか今日はクラスが浮わついてる気がするけど‥‥」
「転校生が来るらしいんだよ、それが男か女、どっちか分からないから皆期待してんのさ」
正直どうでも良かったと言ったら嘘になる、この学校は入学してからクラス替えがないため転校生はいい刺激物になるのだ
しかし俺は内心、不安が多い新しい学校生活なのにいきなり必要以上に期待をされる転校生が可哀想とすら思えていた
だから俺は男女問わず転校生には出来る限りの優しさで接してあげようと心に誓ったところで
ガラガラガラ
教室の扉が開き担任の梅田先生が入って来て教壇の前に立った
「みんなおはよー
今日も全員出席素晴らしい
さっき必死に昇降口から走る人を約1名見た気もするけどスルーしてあげよう」
完全に遅刻ギリギリな姿を見られた俺は頭を抱えながら先生の話を聞いていた
そんなことをよそに健次がいきなり立ち上がって
「梅ちゃ〜ん、今日は皆に報告があるんじゃないの?
そんな誠司の遅刻話なかじゃなくて」
「分かってるわよ、さすがに私だってこのクラスのザワザワ感に焦らしを入れるほど酷くはないから座りなさい
もうみんな知ってると思うけど、このクラスに転校生が来ることになりました〜」
先生の一言にクラス全体から歓声が上がった
それを静めた先生は扉の方を向きながら「入ってきていいわよ」と声をかけた
すると扉が開き一人のキレイな女生徒が入ってきた
「じゃあ自己紹介よろしくね」
先生の合図で彼女は一礼をしてから話始めた‥‥