2人目 最悪のバツ 谷口愛季
放課後のある日
「はぁやっと終わった」

退屈な授業が終わり大きなため息を吐きながら下駄箱から靴を取り出す。彼の名前は蓮。至って普通の高校生。

「はぁ、ため息しか出ないわ...ん?なんだこれ」

蓮は下駄箱の奥に紙切れがあるのを発見する。不思議そうに手に取ったその紙。差出人などは書いていない。ただそこには一言だけ添えられていた。

【蓮くんへ。今日の放課後4階の図書室で待ってるよ。絶対に来てくれるよね?】

文言から見るに女子からの手紙だった。

(なんだこれ。新手のドッキリとかか?でもほんとに女の子だったら、チャンス?告白されんのかな!おれ!)

降って湧いた千載一遇のチャンスに蓮は興奮した。紙切れを手に4階の図書室に足早に向かう。

そしてお目当ての図書室が見えてきた。扉の前に立つ蓮。

(いやドッキリだったらどうしよ。クラスの女子とは必要最低限の会話しかしてないし。でも帰るのもなんか可哀想だし)

蓮はそもそも内気な性格のため、クラスメートとは必要最低限の会話しかしてなく、仲の良い女子などはもちろんいない。

好きな女の子はいるが内気な性格が災いして中々話しかけられないでいる。

(でも気になるし。はぁ....よし入ろ!)

意を決して図書室の中へと入る。戸を開けて中をみわたす。だが、女の子の影は全く無かった。

(だ、騙された...せ、千載一遇のチャンスが...)

突きつけられた悲しい現実に肩を落とす蓮。すると

「やっぱり来てくれたんだ...?」

後ろを見ると見知った顔の女の子が立っていた。

「た、谷口さん!?」

「そんなに驚かなくてもいいじゃん。あの手紙見てくれたんだね!来ないかと思って」

「え、じゃ、じゃああの手紙は...?」

「うん!私が書いたの」

(ま、まじかよ....)

谷口愛季。蓮と同じクラスメートでありクラスの女子からはみんなのお姉ちゃん的存在であり男子からは毎日毎日弄られている人気もの。

連とは真逆の世界を生きている存在であり、蓮が密かに思いを寄せている人物でもある。

「た、谷口さんが...」

「んふふ...なんで呼んだか教えてあげよっか?」

「...はい」

いよいよ告白されるのか!と蓮の胸は高鳴っていた。これが青春というものかと身に染みて感じていた蓮だが彼女の口から発せられた言葉はそれとは真逆だった。

「最近さぁ、私の体操服でなんかした?」

「....え?」

「何かしたって聞いてんだけど?」

(ま、まさか...バレてるのか...あの時の...)

あの時。2日前のことだった。蓮は1人自分たちの教室に残り勉強をしていた時のこと。

蓮はその時魔が差してしまい谷口の体操服を使って自慰行為に及んでいたのだ。バレないと思いやっていたが案の定バレていた。

「し...しました...」

「気持ち悪っ...私の体操服にさ、あんたの汚い精液ぶっかけたんでしょ?まじ気持ち悪い...」

「な、なんでわかったんですか...?」

「こんなキモイ事するのあんたしか居ないでしょ?他に誰がするって言うの?」

「ご、ごめんなさい...!」

蓮は土下座をして谷口に謝る。許されるとは思ってないがせめてもの姿勢で谷口に謝罪する。

「謝って許すと思うの?まぁこの事、クラスメートにチクったらあんたどうなるかなぁ...?」

「そ、それだけはやめて...!な、なんでもしますから!!!!」

その言葉が命取りだった。谷口は土下座をしている蓮の頭を靴でグリグリと踏みつけながらこう発した。

「私の言うことなんでも聞く?」

「き、聞きます....!」

痛さに耐えながら振り絞った声で懇願する。何をされるかは分からないが蓮は必死だった。

「ふ〜ん...じゃぁ...私の前でシコれって言ったらやる?もちろんやるよね?何でもするって言ったよね?」

顔を上げた蓮の表情は青ざめていた。とんでもない恥辱だった。ましてや好きな人の前で。

「そ、それだけは...べ、別の...あぁっ!」

べチン!と鈍い音が室内に木霊する。谷口は蓮の顔にビンタを食らわせた。

「私の言うこと聞くって言ったよね?はやくシコれ。しなかったらチクるよ」

谷口の顔はとてつもないほどの鬼の形相だった。

「わ、わかりました...」

続く

■筆者メッセージ
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大納言小豆 ( 2025/07/03(木) 21:02 )