TAKE8
risk
準備を終えると友梨奈はソファでうたた寝をしていた。
「ったく。おこちゃまだな。風邪ひくぞ?」
そういいながらお姫様抱っこをして部屋に運ぶ。
ベットに起こさないようにそっと置くと、そのまま俺の腕を引っ張りベットの中へ。
「やっぱり起きてたか。」
「ばれてたー?てへへ」
今時てへへって
「まぁいいや。相棒なんだから多少は面倒見てあげる。」
「さすが相棒だね。ありがとう。」
部屋の電気を消し二人は眠りにつく。
しばらくすると、背中に温かみを感じた。
たまにいっしょに寝ると友梨奈は俺の背中に抱き着いてくる。そして少し泣く。
俺は何も言わなかった。人は聞かれたくないことだってあるんだから。と
ただ、のちのち後悔することになる。それを自分自身が理解するのはもう少し後になる。


翌朝、俺は起こさないようにベットを抜け朝食を二人分作り片方はラップをかけていく。
ぐっする寝ている友梨奈の頬に軽くキスをして置手紙を残し試合へ向かう。
俺はドイツへ遊びに来たわけじゃない。この世代の世界の強者中でどの位置にいるかわかるまたとない機会だ。出せる力をすべて出そう。
集合場所に集まりチームのバスで初戦が行われる
バイエルンミュンヘンのホームスタジアム
アリアンツ・アレーナへ向かう。
相手はバルセロナユースだった。
トップチームと同じパスサッカー主体のチームだ。
シュナイダーの話曰く、警戒すべき相手はリヴァプール ミラン バレンシアだという。そこのドルトムントを加えた四チームがユース世代の四強だと話題になっているらしい。
「全チームに翼の知り合いがいるなんてすごいよね。ちなみにミランには僕の知り合いもいるんだけど、正直そいつがこの世代ナンバーワンだと思う。名前はフランコ・クオーレ」
「そうか。楽しみだな。世界ってわくわくすることだらけかよ」
「まずは初戦だ!」
インターハイの時、栄学園戦での失敗は絶対に許されない。
仲間を信じる、自分を信じる。
それだけで十分だ。
「よしいくか!」
気合を入れいざ初の国際大会へ。
初戦
対バルセロナユース
4-2 勝ち
翼1ゴール 2アシスト
シュナイダー 3ゴール1アシスト
二戦目
対アーセナルユース
2-0 勝ち
翼2アシスト
シュナイダー2ゴール
三戦目
対パリSGユース
6-2勝ち
翼2ゴール2アシスト
シュナイダー3ゴール2アシスト

ドルトムントユース準決勝進出!
予選を突破したのは戦前の予想通り
ドルトムントvs リヴァプール ミランvs バレンシア
すべてのチームに日本人がいる史上初の出来事になった。

シベリアス ( 2018/07/11(水) 22:11 )