TAKE5
princess
「なんだここは。」
見えるのは小さいころの自分が楽しそうに鷹山たちとサッカーをしている風景だった。
「なつかしいな。」
心が暖かくなってた。
そうかあの頃はただ楽しくて。
いつからだろう・・勝たなきゃ意味ないと思い始めたのは。
千歳が言ってたのはこれか。
すると風景が変わり一人の少女が現れた。
「久しぶりだね。翼」
なんで・・翼は目を疑った。
そこには翼の元カノで明音と付き合う前に付き合っていたみずほの姿だった。
中学一年の終わりに病気で亡くなった。
「みずほ、なんでお前が。つかここどこ?」
「翼の意識の中だよ。全く。久々に会ったのに情けない顔して」
「変わってねーな。毒舌は。そんな情けない顔してる?」
「もう!世話が焼ける彼氏だこと。時間がないから単刀直入に言うけど、今の翼ダサくてカッコ悪いよ!きっと今の彼女もそう思ってる。」
「なんだよいきなり」
「いい?私が惚れた彼氏はどんな時でも全力で仲間を信じて思い切りサッカーを楽しんでる
西條翼だよ?」
はは。全く今の俺とは真逆じゃんカッコ悪い
俺は一つ深呼吸をした
「サンキュー。目が覚めたよ。みずほ!インハイ終わったら墓行くから!そこでまた話そう!」
「待ってるから!ちゃんと勝つこと!それと玲奈ちゃん達と明音ちゃんたちと仲直りしなさい!」
「それは考えとく」
「いってこい!」
「おう」
視界が光に包まれ俺は目を覚ました。

シベリアス ( 2018/07/11(水) 21:58 )