アンチは臭い
日本のとある研究所にて……
「おはようございます♪博士♪」
「おお……助手の坂本くん、おはよう♪」
「今日も早いですね〜♪まだ朝の八時ですよ?昨日ちゃんと帰ったんですか?」
「もちろん帰っとらんぞ♪こんな世紀の大発見をして帰るなんて君はおかしいんじゃないのか?」
「だって……わたし別にコイツに興味ないですもん」
「君はまだそんなこと言っておるのか。坂本くん……アンチというのはとても珍しい生き物なんじゃぞ」
「アンチなんて世の中に腐るほどいるじゃないですか?」
「だが捕獲に成功したのは人類史上初めての大偉業なんじゃぞ!これでわしもノーベル賞候補に……」
「なに馬鹿なこと言ってるんですか……それより何か新しいことでも分かりました?コイツのこと」
「おおそうじゃ!一つ分かったことがあるんじゃよ♪ちょっと実験室まできてくれないか」
二人が向かうとそこには一匹のアンチが捕らえられていた。こちらに対して敵意剥き出しで、格子を掴んでなにやらこちらに罵詈雑言を浴びせてきた。二人は無視しながら話を続けた。
「実はな……アンチはものすごく臭いということがわかったんじゃ♪」
「臭い?全然そんな匂いしませんけど?」
「君はレイザーラモンHGというお笑い芸人を知っておるかの?彼のネタに腰を余りに速く振りすぎて逆にゆっくりに見えてしまうというネタがあるんじゃが、あれと同じでな、余りにも臭すぎて我々の鼻では感じ取れないことがわかったんじゃ。その臭さはドリアンやシュールストレミングですら相手にならない臭さなんじゃ、この数値を見てくれ」
「こ、これは凄い……桁が違いすぎる……わたしますますこいつらが嫌いになりました。存在するだけで悪臭ばら撒いてみんなに迷惑かける……こんな奴ら早く絶滅しちゃえばいいのに……」
蔑んだ目でアンチを見つめる坂本。それに対して罵詈雑言を浴びせるアンチ。
「見た目は我々人間と変わらないが、やはり彼らは別の生物なのではないかと思うんじゃ。人間よりもウンチに近い……そこで考えたんじゃが……彼らのことを……アンチ、ウンチ目、ブリブリ科、ブリブリ属に変更するべきだと思うんじゃが……」
「いいですね!ぜひそうするべきですよ!早速申請しましょう!」
「そうじゃな♪早速申請しよう♪」
アンチの研究は尽きない……………………