全国大会
FIRST AND RAST
京都選抜との試合が終わってから次の日正和は病院に行くと足首の捻挫1度と言われた。
暫く安静と言われていたが先生を説得し、親の許可を得て痛み止めの注射を打ってくれることになった。
それまではテーピングとアイシングで誤魔化しながらやって来た。
そして試合当日の早朝、正和は病院で痛み止めを打ってもらっていた。
試合は難波大難波、総体ベスト8の強豪だった。
しかし正和は痛み止めを打ちこの大会にかける思いは一入だった。
正和がサッカー出来なくなった時にも正和にLI〇Eをくれたり復帰した時も優しく迎え入れてくれた優しい先輩達、その先輩と出来る最後の大会には強い思いを持っている 。

正和「朝暉、絶対全国の高いところからの景色、先輩と眺めような」
朝暉「当たり前だ」

俺達は全員で円陣を組むことにした。

キャプテン「最後の大会、正和と朝暉と武太朗の力を借りながらだが絶対全国に行くぞ!」
『うぉー!』
キャプテン「俺達は誰だ!」
『難波高校!』
キャプテン「勝つのは」
『難波!』
キャプテン「大阪代表した俺達の誇りを胸に目指すのはただ一つ!」
朝暉「全国」
正和「制覇」
キャプテン「絶対勝つぞ!」
『おぉー!!!』

俺達はユニフォームに袖を通し気持ちを入れる。
そして正和はトップチームでは定位置のボランチに入る。
フォーメーションさ4ー1ー3ー2と正和がボランチに1人だけだった。
しかしオフェンスでは2ー3ー3ー2となるような形で前掛、ディフェンスでは4ー3ー2ー1となるなどかなりの運動量が必要となるがこれまでと違い1日1試合のため大変ではない。

正和は一試合に全力で戦う。
正和達は正和の個人技で交しながら前に攻めるなどしていた。
相手にはボールを触るも縦パスを完璧に止める等攻撃をまともにさせなかった。
前半15分ゴール左の35m程離れた所でFKを獲得する。

勿論キッカーは正和、正和はゴールに向かう右足ではなく、左足でゴール左にカーブをかけて蹴るとゴール左のバーに当たって跳ね返ると相手にクリアされるも正和が戻り競り勝ち前に弾くと正和に落としたボールが飛んで来る、それを左サイドにロングパスを出すとダイレクトでグラウンダーのクロスを上げると朝暉が左足で振り抜くとキーパーの手を弾きネットを揺らす。

正和「ナイス朝暉!」

正和は思いきり朝暉に飛び付くと先輩達も飛びついて来る。

その後も攻撃の手を緩めない。
18分には正和が個人技で交わすとロングシュートをを放つ。
無回転でゴールのバーよりも2m程高めのシュートだ。
それはクロスバーに当たりそのまま下に落ちると飛んで触りに来たキーパーの背後に落ちて上のネットを大きく揺らす。

正和「っしゃー!」

と雄叫びを上げるといつもは冷静な正和の為チームに勢いを齎す。
朝暉や武太朗が思いっきり抱きつき喜ぶと先輩達にタックルされて下敷きになった。

その後23分にも正和がDFのクリアミスをミドルシュートで押し込み追加点を上げる。

ハーフタイムに入ると前半の決定的なシーンを決め、3得点挙げていた俺達は試合での高いテンションのままベンチにいた。

キャメロン「正和、朝暉は良く決めてくれた。
この決定的なチャンスを確り決めて正和と武太朗でピンチらしいピンチを作らせなかったのは良かった。
けど気を抜かず集中して頑張れ」
キャプテン「1年ばっかに活躍させてんじゃねぇよ!俺達もやるぞ!」
正和「やはりこのチームは強い、そう感じさせてくれるチームだな。
しかし相手も黙ったままじゃないだろうからな」
朝暉「取り敢えず俺にロングパスを出してくれ、それと皆は退いて守れ」
武太朗「正和は足大丈夫か?」
正和「あぁ、元々痛みは弱かったし痛み止め打ってくれてるから痛みなんかないよ」
彩「終ったら病院な?」
正和「はぁ?絶対行くか!治った!完璧に治ったもんね!」
彩「子供か!」
武太朗「たしか病院大嫌いだったよな?」
美優紀「あかんで?しっかりやらへんと」
正和「だから痛くないんだよ!」
美優紀「じゃあうちがお注射してあげんで?」
正和「したら殺す!」←(まじで!)
彩「ガチやな」
正和「彩…」

正和は行きたくないのか目一杯に涙を浮かべて彩を見る、それに耳をつけたら可愛い子犬のようだ。
彩「分かった」
正和「おぉー彩がしゃくれてるの認めた!」
朝暉「世界的に珍しいね」
彩「あんたらしばくで!」
正和「凶器2つは卑怯だ!」
彩「2つも持ってへん!」
正和「手にハリセンと口の下に刃物が…」

彩が正和をギロリと睨んだ為正和はいじるのを辞めた。

正和「よ、よーし!後半ガンガン行くぞー」
彩「後半終ったら覚えときーや?」(激怒)
正和「はいはーい」(笑)

俺達は後半にのぞむ。
俺達は攻撃の手を緩めない。
後半31分、正和からのスルーパスに反応した朝暉が抜け出し、キーパーを交わすと落ち着いてインサイドで流し込む。
4 ー0
正和の2点、朝暉の2点で並ぶ、2人は同じチームでプレースタイルの違う為得点争いが激しい、それがチームの攻撃力になっていた。
しかし目標は同じ全国の頂から見る景色。協力する時はするが決める時は俺が俺がの状態、まぁ日本代表になるだけはある。

後半38分にゴール右約30mでFKのチャンスを得ると正和がボールをセットする。
助走を取り速い助走からゴール右のバー付近に曲がりながら飛ぶ、ボールはそのまま曲がりながらストンと落ちてバーを掠めてネットに突き刺さる。
その後は攻められる場面があったものの相手のシュートを2本に抑えて5ー0と快勝して突破した。

正和「ヨッシャー!」

正和が吼えた。
正和は得点を挙げるだけではなくチームのムードを盛り上げれる選手、その為日本代表として呼ばれることが多い。
人間性も完璧…とは言えないが悪くはない。

試合が終わり引き上げていく時正和とキャプテンと彩が相手のキャプテンに呼び出された。

相手「これは俺達の思いです、是非これを持って全国制覇してきてください」
キャプテン「勿論」
彩「負けへんので安心して下さい」
正和「みなさんも難波高校に負けたらしょうがないと思えるような試合をしてきます。
もし良ければ府大会ね応援に来て下さい」

正和と彩で千羽鶴、キャプテンは相手の付けたいたリストバンドを受け取っていた。

正和「全国制覇、して来ます」
相手「そっちのエースは頼もしいな」
キャプテン「1年ですけどね」
相手「えぇ!」
正和「後トップのスタミナお化けとCBのデカイのも1年です」
相手「じゃあ君たちはJリーガーかな?」
正和「そうですね」
相手「頑張れよ!」
彩「ありがとうございます」

3人で相手チームの気持ちの塊を受け取り控え室に戻る。

キャメロン「相手もこの大会にかける思いは強かった筈だ、勝ち上がっていくのに一つだけ覚えておいてほしい。
君たちは敗者の大丈夫だ、俺達に 負けて散っていったチームのために勝ち上がっていくのは当たり前だ。

1年の力を借りてでも全国行くぞ!」

正和は全国制覇をする事は使命だと思っていた。
なぜならUー15の日本代表の10番を背負いキャプテンとして戦った俺達からしてみれば全国制覇は使命だった。

ここから俺達の伝説の始まりを告げた。


■筆者メッセージ
体育祭とか書いた方がいいと思いますか?
VBP ( 2016/09/24(土) 18:56 )