高校一年の春
決勝戦
つぎの日会場には超満員の人で溢れかえっていた。

正和「朝暉、あのシュートの仕組み分かったぞ。
あれはボレーの容量で蹴っている、最初からボールを少しだけ浮かしてパスしてるからあんだけの威力のシュートが打てる。
ただあいつらのキック力はハンパじゃない」
朝暉「要するに威力を弱めないと勝てないって事か?」
正和「その必要はない、枠に飛ばせなければいいだけ」
朝暉「うたせるのか?」
正和「簡単な事だよ、中に絞るだけ。
取り敢えず、あの威力じゃあ決められるからね」
朝暉「なる程、でも下手したら怪我、するよな」
正和「当たり方間違えたらな。」
朝暉「試してみるか」
正和「おう」

正和はロッカールームに入るとスマホを見る。

ゴール裏
の応援団の
後ろにいる
点決めたらこっちにガッツポーズして!
由依とテレビ電話するから

分かった。

一言だけ返してユニフォームに着替える。
先輩達は夢の舞台の一つでもある市立吹田サッカースタジアム。
ここでサッカーを出来ることを嬉しそうにしている。

そして決勝戦、勝てば全国、負けたら敗退。
大切な試合のキックオフを迎える。
俺達のキックオフからだ。
正和はホイッスルと同時にボールを受けるとドリブルで上がる。
しかし相手も研究済みとばかりに正和からボールを奪いに来るも朝暉とのワンツーでフリーになると得意な形へと持ち込む。
正和から朝暉にヒールパス、それを右サイドに出すとオーバーラップしてくるサイドバックにボールを預け、回り込むとクロスを上げずボランチにパス、それを左足でダイレクトパスを繋ぐと朝暉がボールを受ける。
朝暉はそれをダイレクトで正和に上げるも3人で囲まれていた。
正和は競ると頭に当て、朝暉に戻すとゴールを向いたまヒールで中に上げる凄技を見せると正和は触りボランチの選手にパスを出すと頭で合わせて先制点を上げる。
そして相手のキックオフの時に試してみた、全員が中に絞り、シュートがないと判断した瞬間に広がる。
それを繰り返すも相手もここまで上がって来るだけのチームの為技術がある。
ずっとシュート性のパスを繋ぐとボレーで合わされ同点、そのまま前半、後半を終える。
延長前半も均衡状態のまま最後の15分へ

正和「残り15分がんばりましょう!」

俺達は体力的にも厳しい為PKなんてプレッシャーは耐えられない。
しかし正和はヘラヘラ、ニコニコしていた。

スタンドでは
彩「頑張れ!正和ー朝暉」
美優紀「正和君ー!」
遥香「由依、正和君どう?」
由依「変わってないな、相変わらずニコニコしてんねんな?」
遥香「由依との約束やろ?
私が戻ってくるまで負けない、きつい時こそ笑う」
由依「せやな」

後半も均衡した展開になる。
どちらも後半からシュートを打たせてもらえない。
両チームとも体力の消耗が激しい。
そして延長後半のアディショナルタイムは1分、正和は最後の力を振り絞り攻める。
朝暉とのワンツー、ダイレクトパスを回しながら攻めるとアディショナルタイム1分が過ぎた頃、正和がペナルティエリアで足を踏まれた所に体を寄せられて倒される。
すると主審のホイッスルがなりPKを獲得、しかし正和は立てない。
担架が運ばれようとしたその時正和はどうにか立ち上がる。
正和はどうしても決めなければならない。何故ならPK戦は引き分け扱いされてしまう。
つまり由依との約束を破る事になる。
正和はペナルティマークをボールをセット、ゆっくりと助走をとる。
ホイッスルがなるとゆっくり走り始め、足を思い切り振り抜く。
ボールはゴールド真ん中に飛ぶもGKが左に飛んだためネットを揺らした。
その瞬間試合終了を告げるホイッスルが鳴り響く。
正和はゴール裏まで走り遥香にガッツポーズを見せる。
すると正和は大きな声で

正和「約束守ってるぞ!」

と叫ぶ。

試合終了後挨拶に行くとチームの応援歌が歌っていた。

止まらねぇ 俺達 難波高
暴れろ 荒れ狂え
ララララーララーラララー
叫び (おい!) 歌え

キャプテンの指示で頭を下げると
正和! 正和!正和!ドンドンドドン

正和は飛びっきりの笑顔で再び由依にミサンガを見せてそのままガッツポーズをする。

キャメロン「良くやった!これで初の全国大会出場だ!取り敢えず明日は報告会するし部活休みだからゆっくり思い思いの時間を過ごして来なさい。
また火曜日からビシビシ行くから覚悟しとけよ!」

その後正和はチームのMVPとしてキャメロン先生の抜け毛を貰った。←(帰って速攻捨てました。)

試合終了直後、遥香とLI〇Eのテレビ電話をしていた。

正和「もしもし?」
遥香「お疲れ様、由依も喜んでたよ」
正和「それは良かった」
遥香「かっこ良かったよ!最後のPKなんてハラハラしちゃったよ」
正和「あざす」
遥香「しっかり体のケアしてね」
正和「おう、応援ありがとな」
遥香「じゃあね」

テレビ電話を切ると僅か1分足らずで500を越える通知が来ていた。
俺がPKを蹴る動画や、画像、おめでとうのメッセージが来ていた。

正和「まだ、県大会優勝しただけだよな?」
朝暉「まぁ、オレ達は全国大会行ってあたりまえと思われてたんだろ」
正和「そんな事ないのになぁー」
朝暉「全部死闘だったよな」
正和「取り敢えず、負けたチームの思いを背負って1番高い所を目指しますか」
朝暉「って言っても天皇杯
の県予選あるしな」
正和「どこまで行けるのかなー間違えて決勝戦行ったら選手権出れないぞ」(笑)

なんて笑い飛ばしていた。
しかし正和の目は選手権ではなく天皇杯の決勝戦を見ているようで、目が全く笑っていない正和だった。

家に帰ると武太朗、彩、美優紀が集まっていた。

正和「皆どうしたの?」
彩「お祝いや」
武太朗「だな」
正和「まて、武太朗が何でいる?電車俺と逆方向に乗っただろ?」
美優紀「ええやん、それは置いといて」
正和「まぁいいけど」

その後俺達は焼肉を食べまくり結局5人で15kg食っていたらしい。
試合が終わってホットしていたんだろう。
俺達はリビングで騒いでいて急に静かになったと思ったら3人とも爆睡していたらしい。

■筆者メッセージ
なんか使いにくくなりましたよねー
VBP ( 2016/09/10(土) 17:48 )