誘惑
05
翌日・・・

友一は街へ出かけた。昨日、頼人が言っていた“思い出”を思い出そうとした。

まず訪れたのは、近所のショッピングセンターだ。
頼人と友美と一緒に訪れた場所。阿弥との出会いの場所でもあった。

「・・・・」

友一は黙って店内に入り、ゲーセンに行った。そして、いつか頼人と一緒に遊んだシューティングゲームのところへ行った。

「久々にやろうかな・・・」

そう言って、マシンに100円を入れた。


                ◇

“Game Over”

そう書かれた画面が目の前に立ちはだかった。

久々にやるので腕がなまり、頼人も不在なため序盤で負けてしまったのだ。

「だよね・・・」

若干肩を落としながら立ち去ろうとした、その時、

「牧野君!」

後ろから声が聞こえた。
振り返ると、そこには・・・

「古畑・・・?」

紛れもない、奈和が立っていた。

「やっぱり!何してたの?」

「いや、別に・・・」

「何?言ってよ〜!」

「えっと・・・」

仕方がないので、友一は場所を変えて昨日の出来事を話した。

                 ◇

「ふーん。なるほど。」

正直、笑われるかと思った友一は、顔色ひとつ変えずに話を聞く奈和に若干驚いていた。

「笑わないの?」

「当たり前じゃん。いいと思うよ。頼人さん、優しい人だね。」

奈和は優しい顔をして言った。

「阿弥ちゃんは、今はあんなことになっちゃってるけど、牧野君の事、まだ忘れたわけじゃないと思うよ。」

「でも、阿弥のことはもう忘れることにしたんだ。」

「それならそれでいいと思う。ただ、彼女のこと、嫌いにならないであげて。もしあの子がいなかったら・・・」

「いなかったら?」

「私たちは、今だにただのクラスメートのままだっただろうし、こんなに仲良くはならなかったと思う。」

確かに、阿弥がいなければ、友一は一人だった。阿弥がいたからこそ、友一には友達ができた。

「そっか・・・阿弥・・・」

友一は、再び阿弥の顔が見たくなった。でも、もう叶わない。自分の行いを、深く後悔した。

「一回話しかけてみなよ。許してくれるかもしれない。」

「分かった・・・」

友一は、もう一度阿弥に謝まろうと思った。
その後は、阿弥や頼人や友美と一緒に食事をした店へ行き、映画を見たり適当に買い物をしたりした。










darkhero ( 2014/06/21(土) 20:28 )

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