04
友一が勢いよく駆け下りると、頼人が、
「何かあったみたいだな。どうかした?」
と、レトルトカレーを差し出しながら尋ねた。
「別に・・・頼人さんには関係ないよ・・・」
友一はそう言いながら、うつむきがちにカレーを食べ始めた。
「そうかな?顔に出てるぞ。そういうとこ、友美によく似てるな。」
「!?」
「まあ、話してみなよ。俺も一応男だからさ、話そうぜ?『男どうしの話しあい』的なさ。」
「・・・・・」
友一は、頼人に全てを話した。
「そうかそうか、そんなことが・・・」
頼人は親身になって話を聞いた。
「俺もお前と同じ年のころ、似たような境遇になったことがあってさ。ショックだったなぁ、あの時は。」
しんみりとした表情で話す頼人に、友一は、
「その後、どうしたの?」
と尋ねた。
「ん?どうしたっけなぁ・・・デートした場所を回ってたかな?一人で。っていうか、こんなこと言わせるなよ、恥ずかしいじゃんか。」
頼人は笑いながらそう言い残し、冷蔵庫に向かって歩いて行った。
「どうしてそんなことをしたの?」
友一が頼人の背中に向かって尋ねると、少しめんどくさそうに、でもまんざらでもないような顔で、
「なんでだろ・・・多分、完全に別れる前に、もう一度思い出に浸りたかったんだろうな。」
と答えた。
「思い出に・・・」
友一は、かつての頼人と同じことをすることにした。
阿弥と“完全に”別れるために・・・・