教室では、教員や一部の生徒達が置いてあるものを片付けている。しかし、体育館では教室の片付けムードとはかけ離れた盛り上がりを見せていた。
「これより、後夜祭を始めます!みんな楽しんでいきましょう!」
MCを務める常夫が元気よく号令をかけ、ライブが始まった。
「さぁ、まずは一組目参りましょう!」
常夫の威勢のいい掛け声と共に、激しいロック調の音楽が鳴り響いた。
一方、阿弥と友一は前日に洋祐と打ち合わせたことの実行に取り掛かっていた。
「本当にこんな事して大丈夫かな・・・」
友一が心配そうにつぶやくと、それとは対照的に、とても楽しそうな顔をした阿弥が友一に向かって、
「大丈夫かどうかはわからないけど、とにかく楽しいからいいじゃん。こういうこと、一度やってみたかったんだよねっ」
最初にあったときはこんな人であるとは微塵にも思わなかったと、友一は内心びっくりしながら、
洋祐が考えていた案は次のとおりだ。
まず、ライブの開催と共に、ドアを閉め、開かないようにする。そして、裏口から洋祐をはじめとするバンドのメンバーを入れる。そして、サプライズゲストとして登場させる・・・というものだった。
その頃・・・
「ハァ、ハァ・・・あっ!野木君!」
奈和は、洋祐を迎えに行っていた。
「おう、なんかワリィ。」
洋祐は少し照れながら奈和のところへ行った。
実は、ほかのメンバーと待ち合わせしていたのだが、場所を間違え、結局迎えに行ってもらう羽目になってしまったのだ。
「ほんと、一時期はどうしようかと思ったよ。この計画の首謀者でしかもボーカルが迷子になるなんてさ。」
「謝ってんじゃんかよ。とにかく行こうぜ。」
洋祐がごまかしながら先に進んだ。
「もう・・・」
奈和は呆れながら、でも笑って、洋祐の後を追った。










