03
休日―――
「えぇ〜っ!」
「ん?何だ?」
今、友一は撮影中。先生がセーラー服を着て平然としているのを見てびっくりする・・・というシーンだ。
「はいOK!」
常夫がそう宣言し、休憩に入った。
「ふぅ、つかれた・・・」
演技の仕事というものはなかなか疲れる。実際の俳優はどんな苦労をしているのかと思うと、なぜだかぞっとする。
「お疲れ、友一君。」
という声と共に、ペットボトルが差し出された。渡した人を見ると、阿弥だった。
「あ、あれっ?阿弥!?」
あの時以来、友一と阿弥はお互いを名前で呼び合っていた。付き合っているならそれくらいはしよう。と、阿弥から提案したのだ。
「暇だから来てみたんだ。撮影お疲れ様。それ飲んで頑張って!」
ペットボトルを見ると、「ファイトバクハツニャ!」と書いてある。友一のお気に入りの飲みものだ。
「ありがと・・・」
「ヒュー」
阿弥にお礼を言おうと顔を上げると、阿弥と友一のあいだに常夫が割り込んできた。
「お、おい、木嶋・・・」
友一が常夫に言うと、
「ワリィワリィ。なんかやってみたくてさ。」
と阿弥の方を向いた。しかし、阿弥は全くの無表情だ。
口を尖らせながら空を見て、また視線を戻し、
「うまいことやれよ。みんな応援してるからさ。あと、もうすぐ撮影だぜ。」
と言って、どこかへ走り去っていった。
「それじゃあ、頑張って・・・」
「ああ・・・」
友一は阿弥に笑顔を見せ、撮影に向かった。