3.井田玲音名
01
「まもなく、名古屋、名古屋、終点です。」

いつものことだけど、電車でここまで来るのは本当に大変だなぁ。

しかも今日は━━

(キリキリキリ……)
(あぁ、お腹痛い)

軽く下腹部を撫でる。

女の子の日と重なり気分はよりブルーだった。

私の名前は玲音名。

名古屋の中心街、栄にあるアイドルグループに所属してる私。

地元、三重県の最寄り駅から電車で数十分。

この電車の終点に到着する。

ここから、地下鉄に乗り換えて栄に向かう。

(お腹痛いけど、頑張ろ!)

そんなことを考えてた時だった。

「ガタン、ガタタン」

電車が分岐を通り大きく揺れた。

(おっと。)

軽く握ってたつり革に力が入った、その瞬間。

(トロッ……)

うわっ、これ、大丈夫かな?

いつもより多い量が出た感覚があった。

今の所漏れた感覚はないけど……いったん確認しよ。

「名古屋、名古屋です、ご乗車ありがとうございました。」

電車を降りて、急いでトイレに向かう。

奥から2つ目の個室の扉が空いていたので、そこに入り、鍵をかける。

カバンを便器の後ろにあるスペースに置く。

念の為カバンからナプキンを取り出して右手に持ってっと。

ロングスカートを腰まで上げて、薄ピンクのパンティを膝元までおろす。

パンティに載せているナプキンを確認すると……

(うん、まぁなんとかって感じかな)

表面は赤くなっていたけど全くはみ出してはいなかった。

もちろんパンティも無事。

新しく出たズレにくい物にはしてたけど、ビックリはする。

(良かったぁ〜)

そう安堵した次の瞬間だった。


■筆者メッセージ
月に1度のあの日しんどいですよね
02に続きます
K ( 2021/01/10(日) 06:55 )