01
(ギュルルル……)
あっちゃあ、まただ。
私はお腹からの悲鳴を聞きながら、少し早足で歩き出す。
私の名前は彩姫。
これからレッスン場に向かおうと乗り換えの駅の中を歩いていたんだけど……
いわゆる女の子の日が始まって、それ自体は構わないのだけれど、私の場合は急にお腹の調子が悪くなるオプションが付いてくる。
女性ホルモンの仕業らしく、下手なことをするよりも対症療法で行く方が良いとお医者さんに言われてるの。
とはいえ、突然来るから本当におっかない。
幸いなのが、この時期さえ乗り越えればお腹も落ち着いてくれるってことかな。
コンコース階に降りて女子トイレに向かう。
ところが。
「えぇ……」
お昼前なのにトイレの前に行列ができていた。
どうしよう、改札を出てデパートのトイレに向かおうかな
(ギュルルルルウゥ)
うぅっ
本当に急がないと。
そんな中、あるところを思いついた
(そうだ、あそこならきっと空いてる)
そう思い、私はデパートではなく地下街に向かった。