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「んっ......んっ......」
声が漏れないようにしても頭がぼーっとしてしまい、自分の中の羞恥心が少しずつ消えていく。最初は周りの目を気にしていたがいつの間にか祐樹しか見えなくなっていた。
男性器が奥まで達した瞬間は快楽とともに愛情を感じている。それと共に寂しさを感じた。
「ねえ、先生?」
「ん? どうしたの?」
祐樹が心配した顔で見つめた。決してセックスの手際が悪かったわけではない。余計な心配は掛けぬように腰は振り続けた。ただ出し入れするようにではなく自分の膣に擦りつけるように。
「んっ......先生ってさ、やっぱりウオノメが一番好きなんでしょ?」
「そうだね。朱里は大切な彼女だから。でも真子も大切に思ってるよ」
「そっか。嬉しいな。でもさ先生の周りって女の子沢山いるじゃん? 私必要ないよね」
ネガティブな発言を包めるように笑顔を見せて重くない女を演じた。少しの間だけでも彼女になれて嬉しかった。
「俺、真子のこと好きだよ......? それとも普通の関係で居たいとか?」
「ううん。先生の彼女になりたいよ大好きだよ。でもさ学校を卒業したら赤ちゃん作って先生が大変になっちゃうもん。ウオノメ達には幸せになってほしい先輩だし私が引かなきゃ......」
真子は腰の動きを止めた。最後まで出来なかったがとても気持ちよかった。これで良い。充分幸せだった。真子は腰を浮かせ男性器を抜こうとする。避妊具は付いていない。祐樹は避妊具を持ち合わせていたが真子が拒否した。祐樹に気持ちよくなって欲しかったからだ。膝を立て男性気が膣からゆっくり抜けていく。名残惜しかった。
「許さないよ」
「......え?」
亀頭が抜けそうな寸前でガシッと腰を掴まれる。
「真子だけが幸せにならないなんて許さないよ」
「違うよ、私は幸せだよ? 先生に処女あげれて少しだけでも彼女になれて......」
「でも心から笑ってない」
祐樹の言葉に、作った笑顔が思わず引きつってしまった。完璧に組み上げてきた『自分』が崩れる音がした。
「また我慢してる。真子は自分だけが不幸になれば良いって思ってる」
「そ......そんなことない」
「いつも我慢してる筈なのに報われないから南那を殴っちゃたんだよね?」
心の壁が取り壊された。祐樹は真子から目を離さない。まるで全てを見透かしているように。また自分を作って防御をしようとしたが祐樹の視線がそれを許さない。真子自身もそれを望んでなかった。なぜなら偽った自分など見て欲しくなかったからだ。