其の一/李奈
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マジ女の校門前で祐樹は待ち合わせの時間5分前にきっちり辿り着いた。昨日まで残業込みの仕事だったが疲れは全くと言う程残ってなかった。恋人が居るとストレスが半分も軽減されるらしいがそれは本当かもしれない。朱里と同棲するようになってからは自分の気力や意欲は何倍にもなっていた。
昨日も帰宅後にセックスこそしなかったものの、朱里は眠そうにしながらもずっと片時も離れず寄り添ってくれた。
『先生、おかえり!』この言葉があるだけで心安らぎ、ガソリンを注入されたような気になれる。

 その上今日は祐樹は更に元気だった。なぜなら李奈と出掛ける為。これは杏奈の頼みでもあった。外出するならラッパッパの方が良いのでは?と思ったがそれぞれ行けない理由があるようだ。杏奈に限っては方向音痴だから。
 そんな杏奈は今祐樹の仕事を手伝っている。進路を何も決めていなかった杏奈は、卒業後も変わらず音楽室にたむろしていた。だが毎日働いている李奈を見て自分も何かしたいと思うようになっていき、祐樹の仕事を手伝うようになる。元々頭が良い杏奈は仕事が早く、それに祐樹と常に一緒に居れるのが嬉しかったのだ。周りの大人達には「大学を目指し勉強を教えている』という名目で誤魔化している。

 
 李奈と2人で出歩くのは亜粗美菜に面接に行った以来だ。貴重な休みの日に自分をパートナーに選んでくれたのが嬉しかった。家を出る際に朱里にはコンドームを持たされる。『エッチするならちゃんと着けるんだよ』と言いながら。李奈とそういう関係になるつもりは無かったものの今までの結果を鑑みるとそういう流れになると、朱里は読んだのだろう。果たして子供のような李奈にその気はあるのだろうか?観に行く映画も子供向けアニメの映画だった。花より団子の李奈。色気より食い気な気もする。

 ふと顔あげると遠くに小さな人影が見えた。とてもカラフルな服装らしいが李奈だろうか?もしかしたら違うかもしれない。目を凝らして見ていると俯きながら歩いてるようだ。李奈の私服を見たことがない祐樹はいつもの青いスカジャン姿を想像していた。歩いてくる人影が顔を上げた。その時初めてそれが李奈だと
確認できた。とてもお洒落な服装だ。普段からは想像できないだろう。
 祐樹の近くに辿り着いた李奈。幼顔にどうやら化粧もしている。だが表情は不機嫌そうでスカートをガシッと掴んでいる

「......斎藤、おはよ」

「おはようございます。私服お洒落なんですね。びっくりしました」

「いつもは違う。あいつらに着せられた」

「あいつら?」

「マジックとヨガが朝っぱらからウチに来てさ......」

 李奈は朱里のように口を尖らせ、ため息をついたあと『うあー』と気だるそうな声を出した。
李奈は朝早くから家に上がりこんでいたゆりあと杏奈に叩き起こされていた。何事かと思った時にはゆりあに前髪をクシでとかされる。あれよあれよという間に李奈は着替えさせられ、今まで着たことないような服を当てがわれた。おそらくゆりあの服。いつものようなラフな服装で出かけようとしていたが、許してくれそうになかった。
 

■筆者メッセージ
昨日の更新が遅れたので今日も更新ですです
当たり前ですけど、自分も想像イメージと同じ私服画像が見つかりませんでした。『長めのスカート』だけ固定イメージにしてくれれば後は自分の好きな服着させてください。

いやー暑い!!もう既に猛暑じゃないですか!
ハリー ( 2018/06/12(火) 11:01 )