02
生まれつき茶色がかった髪はとても綺麗だった。しっかりセットしたのであろう髪型を崩さない様、気を付けながら頭を撫でていく。絵梨花から漂う香りも相まってか不覚にも緊張していた。
「なんか、初めての彼女が出来て緊張してる男子高校生みたい」
「ああ、ごめん。ちょっとドキドキしちゃって」
「おにいちゃん歴史に名を残す程の変態じゃないの? JKの頭撫でるだけでドキドキしてるとか」
やはりぎこちない手つきがバレてしまったか。絵梨花は揶揄う様にニヤニヤしている。
「いや高校時代に絵梨花みたいな子は憧れの存在だったからね。そんな子の身体に触れられるって思ったら、つい」
「ふーん。おにいちゃんって元はインキャだもんね。 お姉ちゃん言ってたよ『先生は高校時代に死ぬほどモテなかったから、今がチャンスって思ってやりまくってる』って」
確かにその通り。だがはっきり言われると傷付くものがある。その時の妬みやコンプレックスが今の原動力になっているのも確かだ。
「はは。そんな憧れていたような女の子とセックス出来るチャンス!って絵梨花を見て思ってるよ?」
「出たな! 妖怪変態教師〜! いくちゃん食べられちゃう〜」
両手をグーにしてぶりっこのようなポーズをとった絵梨花。その姿に愛しさを多分に感じ、思わず右腕で抱き寄せた。
「あうっ」
絵梨花の柔らかい身体の感触を自分の身体に押し付けた。ちょうど絵梨花の頭が顔の位置に来た。あの香りを嗅ぐようにクンクンと顔を擦り付ける。
「絵梨花......」
「ん〜......」
一気にムードを醸し出すと、絵梨花も流石に大人しくなる。クンクンされているのがくすぐったいのか髪の毛を掻き上げると、今まで隠れていた耳が露わになった。ぷくぷくしている耳たぶに軽くキスする。
そのまま頬へと移った。
「絵梨花、こっちむいてごらん」
どこかぼーっとしてるは絵梨花は何をされるか分かっているようだった。こちらを向いた絵梨花の顎を掴み、唇を奪った。しっとりとしている絵梨花の唇。吸い付くように数秒合わせ、離す、そしてまた合わせる。これを繰り返した。絵梨花に服の裾は軽く掴まれている。
「どう? ファーストキスは?」
「ん〜なんだろ......抱かれるって感じ」
絵梨花はゆっくりと身体を預けてきた。胸元に収まるとふーっと息を吐く。
「そっか。 今度は舌を入れてみるから、絵梨花も絡めてきて」
「分かったぁ」
身体を起こした絵梨花はじっとこちらを見つめてくる。
「絵梨花からおいで」
絵梨花はコクっと頷くと、目を瞑り唇を近づける。 迫ってきた身体を受け止めると唇が合わさった。
こちらから舌で唇をツンとすると、絵梨花は唇を開いた。
生暖かい口内へ侵入すると、早速絵梨花の舌に当たった。トロッとしているのはキスで唾液が溢れているからだろう。絵梨花なりにエクスタシーを感じているのだろうか。
「んあっ......」
口の中でぴちゃっ、ぴちゃっと唾液が絡む水音を響かせ興奮の数値を上げていく。気のせいかもしれないが絵梨花の唾液はほんのり甘く感じた。