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薄いゴムの中に性欲も精子も放出したせいか、祐樹は頭の中が鮮明になってきた。ゆっくり南那の膣から性器を取り出す。南那の処女膜で出た血液なのだろうか。僅かだが赤く染まっていた。
祐樹は南那の隣に倒れる。
「南那さん、大丈夫ですか?」
「……バカ。こっちは処女だっつうの」
南那は祐樹を軽く睨んだ。
「すいません。僕も久しぶりで」
「でも、気持ちよかったよ。先生に全部犯された」
「犯されたって言い方……どうなんですかね」
「本当のことだもん。先生は最低な変態だ」
祐樹は美音にも同じ事を言われたような気がしていた。経験が無い分、蓋を開いたらしとどに溢れてくるのだろうか。このことを美音が知ったらどうなるのだろう。チーム火鍋全員で殴りに来るかもしれない。もっとも美音以外の生徒は、美音と自分出来事すら知らない。果たして殴られるだけで済むのか。
「あ、あの。このことは秘密で、特に火鍋のみなさんには絶対に」
急に背筋がゾっとする。
「ん? 先生と火鍋ってそういう関係なのか?」
「いや、そういうわけじゃないですけど」
祐樹はかぶりを振った。
「ふーん。なんか疲れちゃった……」
南那は瞼が重くなっている。心身の疲れで眠気が襲って来たようだ。
「後始末は僕に任せてください。今日はイロイロありましたし、ゆっくり休んで」
「うん。ねぇ先生」
南那は虚ろな目で祐樹を呼ぶ。
「なんですか?」
「明日さ、真子に聞いてみようと思うんだ」
「そっか。頑張ってね」
「うん。おやすみ」
「おやすみ」
そっと目を閉じた南那の頭を撫でると唇にキスをした。