2人の少女
「ねえねえお兄ちゃん。これどうするの?」
「これはね、ここをこう折って…」
雄介は、子供が集まる広場で、小さい子供数人と折り紙などで遊んでいた。
それにしても遼遅いな…
雄介は病院内に同じ年の友達が1人いた。それが遼だ。
身体がとても細くて、性格は女の子みたいな奴。身体が生まれつき弱くて、雄介が入院する一年くらい前からここにいたそうだ。
初めて会ったのは雄介が入院してから3日後、初めて朝の散歩をした時だった。
男には人見知りしない雄介はすぐにはなしかけた。最初は遼は声が小さくて話が聞き取れなかったが、徐々に仲良くなっていった。
遅いな…いつもならこの時間にここで会うのにな…
少し心配したが、雄介は体調が悪いのだろうと、すぐ忘れてしまっていた。
その時
「あっ!いた〜!」
女の子の声が背中から聞こえてきた。雄介はゆっくりと振り向くと、同じクラスの木崎さんと松井さんがいた。
「ヤッホー!」
「こんにちはっ!」
「で、なんできたの?」
雄介達はとりあえず雄介の部屋にきていた。
「迷惑だった?」
松井さんは悲しそうな顔で雄介を見ながら言う。
「別にそういうわけじゃないけど…」
「ならいいや。最近翔也君と仲良くなって、ちょっと森田君のことが気になったから。」
松井さんはさっきの表情とは一変した笑みで言葉を返した。
演技か…
そう分かった雄介は心の中で、松井さんは怖いと思った。
すると今度は木崎さんが、
「入院生活って楽しい?私したことないから。」
普通だな…
そう思いながら返答をする。
「まあ楽しいよ。小さい子とかと遊べるし、自由だし…」
「ふーん。」
自分で聞いといいてふーん。って…
木崎さんは不思議っ子なのかな?
そんな感じで1時間ちょっと三人で話していた…