一途な恋
第一章
2人の少女

「ねえねえお兄ちゃん。これどうするの?」

「これはね、ここをこう折って…」


雄介は、子供が集まる広場で、小さい子供数人と折り紙などで遊んでいた。


それにしても遼遅いな…






雄介は病院内に同じ年の友達が1人いた。それが遼だ。


身体がとても細くて、性格は女の子みたいな奴。身体が生まれつき弱くて、雄介が入院する一年くらい前からここにいたそうだ。



初めて会ったのは雄介が入院してから3日後、初めて朝の散歩をした時だった。

男には人見知りしない雄介はすぐにはなしかけた。最初は遼は声が小さくて話が聞き取れなかったが、徐々に仲良くなっていった。





遅いな…いつもならこの時間にここで会うのにな…

少し心配したが、雄介は体調が悪いのだろうと、すぐ忘れてしまっていた。




その時

「あっ!いた〜!」


女の子の声が背中から聞こえてきた。雄介はゆっくりと振り向くと、同じクラスの木崎さんと松井さんがいた。

「ヤッホー!」

「こんにちはっ!」







「で、なんできたの?」



雄介達はとりあえず雄介の部屋にきていた。


「迷惑だった?」


松井さんは悲しそうな顔で雄介を見ながら言う。


「別にそういうわけじゃないけど…」

「ならいいや。最近翔也君と仲良くなって、ちょっと森田君のことが気になったから。」


松井さんはさっきの表情とは一変した笑みで言葉を返した。


演技か…

そう分かった雄介は心の中で、松井さんは怖いと思った。


すると今度は木崎さんが、



「入院生活って楽しい?私したことないから。」


普通だな…
そう思いながら返答をする。


「まあ楽しいよ。小さい子とかと遊べるし、自由だし…」

「ふーん。」


自分で聞いといいてふーん。って…


木崎さんは不思議っ子なのかな?


そんな感じで1時間ちょっと三人で話していた…



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■筆者メッセージ
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サイダー ( 2013/10/21(月) 22:33 )