麻薬
覚せい剤の急性・慢性中毒
覚せい剤の急性中毒は、高揚した気分で始まり、続いて、多幸感、過活動性、過剰な社交性、落ち着きのない言動、過覚醒と不眠、多弁、不安、緊張、警戒心、誇大性、対人関係へのこだわり、常同的で反復的な行動(一見したところ、無目的に見える単純な動作の繰り返し)、情緒不安定、判断力低下、衝動性、怒り、暴力行為などが見られます。慢性中毒の場合には、これらの症状に加えて、空虚感、悲哀感、社会的ひきこもりを伴う感情鈍麻、さらに後述するような覚せい剤精神病、フラッシュバック、性格変化なども混在するようになります。

 身体的には、頻脈(または徐脈)、瞳孔散大、血圧上昇(または下降)、発汗(または悪寒)、嘔気・嘔吐、食欲低下と体重減少、精神運動興奮(または制止)、筋力低下、呼吸抑制、胸痛、不整脈、錯乱、けいれん発作、ジスキネジー、ジストニー、昏睡などが見られます。慢性の覚せい剤中毒者の中には、極度のやせや多くの虫歯、歯の欠損が見られることもあります。歯の問題は、主として覚せい剤による唾液の分泌障害と口腔内不衛生のためと考えられます。特徴的なので、英語圏では、メスマウス "meth mouth"と呼ばれることがあります。

大量投与の場合には、循環不全や脳出血によって死亡することがあります。これを急性中毒死といいます。

 覚せい剤乱用者の死因としては、上記の急性中毒死が多く、マスメディアなどでは「過量服薬によるショック死」と表現されます。基底には心臓血管系の障害が想定されます。ほかには、事故による外傷死、自殺などが多いようです。



hk ( 2013/09/17(火) 14:38 )