麻薬
最近の覚せい剤乱用の特徴
日本への覚せい剤密輸ルートは、1970年代は主に韓国から、80年代は台湾から、90年代は中国からといわれてきました。97年ごろから北朝鮮ルートの密輸が増えています。1999年の押収量は、約2トン。覚せい剤犯で逮捕された人は、1800人にのぼりました。密売人のほとんどは、不法残留外国人で、最近ではイラン人が多いといわれています。彼らは転々と居住地を変えるため、捜査が困難です。

 第3次覚せい剤乱用期(1998-)の特徴として、@乱用者が従来の成人層から青年層、中高生に広がりつつあること、A静脈注射法(ポンプ)に代わる過熱吸煙法(アブリ)の普及、B携帯電話を使った入手方法の普及、C「覚せい剤、シャブ」に代わる「エス」、「スピード」などの呼称、などが挙げられます。

 乱用薬物の移行に関して、従来は、シンナー乱用から覚せい剤静脈注射(ポンプ)へ、というパターンが多かったのですが、現在では、マリファナ乱用から覚せい剤吸煙(アブリ)へ、という傾向があるようです。アブリ群の一部は、乱用、依存の進行と共に、ポンプに移行します。これら新しい乱用層へは、友人(とくに同性友人)から誘われることによって広がることが多いようです。

 過熱吸引法の方が、注射に比べて、初回使用から精神病症状発現までの期間が短いという報告があり、この原因に関して、吸煙の方が注射より効果の持続期間が短いために、より早く強迫的使用に陥りやすい可能性があるとされています。

 アブリでは、注射の廻し打ちの際ようなC型肝炎、HIVなどの感染の危険はないものの、嗜癖性に関しては、注射に比べて安全とは言えない、という指摘があります。なお、吸煙でも、注射と同程度に、尿中からメタンフェタミンが検出されます。

hk ( 2013/09/17(火) 14:37 )