06
「ホント久しぶり!」
そう言って新年から元気ハツラツの彼女
「髪切った?」
年末までセミロングくらいの長さだった髪が今は顔の長さくらいに短くなっていた
「うん!新年だから思いきったの!…似合うかな……」
「うん。似合ってるよ」
「ホント!?ありがと!」
ずっと俺に抱きつきっぱなしだ
意外と子供っぽい所もあるから甘えん坊な一面もあるのか…
「寂しかったんだよ…」
急に悲しげな表情になる松井
「私がいない間諒くん何してるんだろってずっと気になってた…」
俺は動揺を隠せなかった
首にかけられたチェーンで繋がれた金属のリング
それが全てを物語っていた
もちろん松井はその事を知らない
「でも逢えてよかった…」
安心したように溜め息をつく彼女を見て思った
やっぱり松井を愛さなければならない
心からそう思ったとき木崎との区切りがハッキリとついたような気がした
「ありがとう。“珠理奈”」
「え…今名前呼んでくれた!?」
「気のせいだよ」
「嘘だ!絶対いったもん!!もう一回お願い!」
俺はまた一歩踏み出せた