05
「なぁ…木崎…」
まだ泣き止まない木崎
しかし俺は続ける
「お前さ、昔高柳さんと一緒に弁当食ったときに言ったよな『何でもするから』って」
無意識に口が動く
もう止まらないし、止めようとも思わなかった
これが本当の自分の気持ちなんだろうと悟ったから
「…言ったよ……それがどうしたの…?」
やっと木崎が口を開いてくれた
少し鼻声だが、表情もうかがえる
「じゃあさ、今日から松井が帰ってくる1月4日の一日前の1月3日まで俺の『彼女』になってくれよ」
自分でもなにをいってるのか分からなかった
彼女がいる身にも関わらず俺は『彼女になれ』と命じた
最低な行為…それは分かっていた
でも、木崎に惹かれた
魅力を感じた
守りたいと思った
強く…強く……
「分かった…いいよ…でも…」
木崎は了承した
条件付きで
「1月3日以降私と関わらないで」
俺は意味が理解できなかった