12
「諒くん、電話だよ」
目を開けると木崎が髪を拭きながら電話を渡してくれた
寝起きにも関わらずダボダボの女の子らしい寝巻き姿と濡れている髪の毛にドキッとしてしまった。
今日1日で何回女の子にドキッとさせられたのだろう
そんなことを考えながら電話に出る
「もしもし…諒です」
『諒…あんた女の子の友達なんて聞いてないわよ…』
げ…
よく考えたら電話を通話状態で渡してくれたってことは母さんと木崎が話したってことだ
しまった…ちゃんと起きとくんだった…
「ま、まあそんなことより今どうなってるの?父さんは?」
『そんなことじゃ無いけどね…今そっちに向かってる。木崎さんの家の前までいくから』
「わかった…じゃ」
木崎が制服を持ってきてくれた
「まだ少し濡れてるけど…はい」
「ありがとう。このジャージ洗ってまた返すよ」
木崎は高柳さんの事は知っているのだろうか
また今度河川敷でちゃんと話そう
そう心に決めて木崎と別れた
長い、長い1日が終わった