第四章
07


トントンと肩を叩かれた

「もう終わったよ」

重い瞼を開けると向田さんが覗き込むようにして俺にそう言った

にしても、全然授業の記憶がない…

「目、覚めた?」

あ、忘れてた…

「ごめんごめん。寝ぼけてたよ。起こしてくれてありがとう」

まさか、向田さんを忘れるほど寝ぼけていたなんて…

もう、夜更かしして、ゲームするのはやめよう



「あ…!」

ヤバイ!

昼飯高柳さんと食べるんだった…

「どうしたの?」

いきなりバタバタと慌てて飯の用意をする俺を見て、向田さんは不思議に思ったらしい

「ご、ごめん!また後でね」

水筒と弁当だけ持って全力で待ち合わせ場所である裏庭へ向かう



「ハァ…ハァ…」

ついた頃には高柳さんと木崎はいた

良かった…



あれ?




目が…





怖い…




「遅い!諒!」

木崎に呼び捨てにされた

めっちゃ怒ってるな…

「すいません…ちょっと寝ぼけてて…」

「うるさい!」

木崎が俺を一喝

「男なら言い訳するな!」

その通りだよね…

「ごめん…本当にごめん」



俺は木崎達に背を向けトボトボと歩き出した…

「え、ちょっと!諒君!」

「ゆりあ!言い過ぎだよ!」



お、案外聞いてるみたい

俺はなお、演技を続ける

「ほ、本当に冗談だから!何でも言う事聞くから…」



あ、ヤバ…


木崎半泣きだ…

「う、嘘だよ。一緒に食べようよ、ね?」

「本当に?許してくれるの?」



あ…

今見せた木崎の目に少しだけ、ドキッとしてしまった


何故なのだろう…

■筆者メッセージ
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BBQ ( 2013/09/10(火) 20:08 )