06
「やっと終わった…」
今日は時間がたつのが遅い
まだ3時間目だ
「今日時間たつの遅いね」
向田さんも同じ事を思っていたようだ
「向田さんずっとアクビしてたね。まあ途中から爆睡している俺がいうのも何だけど」
「ホントだよ。フフ…」
あの帰り道から凄く距離が近づいた
不意に見せるこの笑顔にドキッとさせられることも多くなった
「おーい、諒くん!」
誰かに声をかけられた
この学校で俺のことを諒くんと呼ぶのはあいつしかいない
「何?木崎」
「何って昨日の…ほら!ちゅり!」
木崎の後ろにいた女の子が前へと押し出される
「あ、ちょっとゆりあ!…は、初めまして!高柳明音です!」
この子が高柳さんか…
普通に可愛いと思った
「あ、こちらこそ。山本諒です。木崎から少し話し聞いてます」
「え…!話ってどんなこと!?」
「鳥好きとか、委員長なのにいじられキャラとか…」
「そ、そうなんだ…ねえ、ゆりあ…あれ?いない…」
木崎はもうすでに消えていた
「もう少しで授業始まるからさ、昼休み一緒に飯食べようよ」
「え、いいの?」
「もちろん。木崎も誘ってみんなで話そうよ。俺高柳さんの事もっと知りたいし」
彼女は顔をうっすらと赤くして言った
「じゃ、じゃあ昼休みにまた来るね!」
高柳さんは走って帰っていった
「あと1時間頑張るか…」
俺は背伸びをして自分の席へ向かった