07
「さようなら」
『さようなら』
帰りのホームルームが終わった
急いであいつを呼び止める
「松井」
呼ばれた本人はこちらを向いて言った
「何?」
「いや、授業中怒らせたからさ…ゴメン…」
とりあえず言いたいことは言えた
あいつやっぱ怒ってんのかな…
「あー、あの事ね。全然気にしてないよ。私実行委員の会議があるから…じゃあね!」
気にして無かったのかよ…
何か謝って損した気分だ
ていうかまた実行委員仕事あんのかよ、大変だな…
「さてと…俺もそろそろ帰ろう」
そう言って鞄を持ち教室を出ようしたら、廊下にあの人がいた
「向田さん…」
「あ、山本君…」
「誰か待ってるの?」
「えっと…いつも一緒に帰っている李帆ちゃんが居残りで帰れないから…」
李帆…3組の阿比留李帆のことかな
なんにせよ向田さん1人のようだ
俺は転校してきてから一番の勇気を出してこういった
「じゃあさ、一緒に帰らない?」