05
極端に男子が少ない中学だった
別に数年前まで女子中だったとかそんな理由はなく、普通の公立中学だ
俺の座った席の両隣も女子だった
「東京からきたの!?すごいね!私いったことないよ」
右隣の席の子は積極的に話しかけてきてくれた
「東京といってもそこまで都会じゃないよ。都心部から大分離れたところに住んでたし」
「俺は何回もいったことあるぜ叔父さんの家が東京だからな」
前の男子も絡みにきてくれた
ガタイがよくて髪は短く刈り込んである
なにかスポーツでもしてるのだろうか
「俺桐島っていうんだ。桐島雄大」
名前まで勇ましい名前だな
格闘技系かな?空手か柔道か
「私はね、松井珠理奈っていうんだ」
じゅりな…どう書くのだろう
「ど、どういう字なの?」
「あ、ちょっと待っててね…はい!」
女の子らしい可愛らしいメモ帳には
『珠理奈』
と書かれていた