最終章
18


「ついたよ」

珠理奈の声が聞こえ目を覚ますと駅前の広場らしき所に到着していた

「ふぁ…」

思い切り背伸びをして身体をスッキリさせると前へ向き合った

「ありがとな、お二人さん。ずっと幸せにな」

思わず笑顔をこぼすと釣られるように2人も笑った。

きっとこの2人なら大丈夫

胸につっかえていたような少しの苦しみからすっと解放されたような気がした



その時、肩に重いものを感じた。木崎だった

頭を俺の肩に乗せながら気持ち良さそうに熟睡している

思わず苦笑いすると

「あらら…ちゃんと連れて行ってあげてね」

珠理奈が木崎の肩をそっと叩き、起こした







桐島夫婦を見送ると時間を確認した

20時丁度。駅はラッシュで少し賑やかだ


隣では眠そうな目をこすりながら木崎が立っていた

さて、どうするかな…

駅員に近いホテルでも聞いてみようか…

「諒くん」

唐突に俺を呼ぶ木崎

「どうした?」

「私の家泊まる?」

何年経っても変わらないこの感じ
いつも俺はこいつに驚かされ振り回されたんだった。
それは今でも変わらない

そう感じた瞬間だった

「いいのか?」

こちらとしては費用がかからない分嬉しいが、やはり男を家に連れ込むのはどうかと思うが

「うん。一泊だけなら余裕だよ」

軽く承諾すると駅へと一人でに歩いて行った

「あ…ちょっと待てよ」

慌てて後を追う




何だろうか


木崎の家に行くだけなのに少しだけ気持ちが高揚しているのは



■筆者メッセージ
昨日は睡魔に襲われ更新できませんでした

ご了承ください
BBQ ( 2013/12/06(金) 22:50 )