奈々未、麻衣、美彩の場合
みさが響に絡んだあの日の事、
ななみと響が住むアパートに久しぶりに3人で集まった。
奈「しーちゃん久しぶりだね。元気だった?」
麻「うん、元気だよー。2人も今年卒業だし忙しいでしょ?」
美「みさは国家試験に向けて毎日勉強してるよ〜。今日は久しぶりに息抜き〜。」
奈「私も。今月教員採用試験の一次があるから追い込み中。」
麻「ごめんね、忙しい時に3人で会おうなんて言って。」
美「いいよ〜、まいやんに会えて嬉しいし〜。気分転換も必要だもん。ね、ななみん?」
奈「うん。社会人のしーちゃんと話すと刺激になるし、私達とは違う世界の話は面白いし。」
美「ほら、お酒も買って来たから今日はいっぱい話そう〜。」
麻「みさみさはそっちが目的じゃない?」
奈「うんうん。」
美「そんな事ないよ〜。あれ?そう言えば響は?」
麻「あーそうだね。出かけたの?」
奈「朝出かけてから帰ってない。さっきLINEしたら、みなみとデートだって。」
若干不満そうな顔でそう言うななみ。
それを聞いたみさみさも口を尖らせた。
美「昨日みさもLINE送ったのに無視されたんだよ〜。未だに返事こないし〜。」
麻「何か用事あったの?」
美「…最近勉強漬けだったからさ、響に癒してもらいたかったの。」
奈「あれ?彼氏いたよね。前会った時だって仲良さそうにしてたでしょ?」
麻「へえ、知らなかった。」
美「…別れた。」
奈「何で?」
美「付き合い初めはすごく優しかったのに、勉強が大変であまり会えなくなったら途端に浮気疑われたり、会ったらカラダばっかり求めるし、エッチも荒っぽいし…。それじゃ試験にも支障が出そうだから。」
麻「だからオトコってイヤね。私のモデル仲間でもそんなの聞くよ。別れて正解だね。」
奈「で、やっぱり響?そう言えば何人かと付き合ったけど長続きしてないよね。」
美「だって〜。みさの基準は響だもん。響以上のオトコっていないのよ。」
麻「まあ、分からなくはないけど。でも響はみなみLOVEでしょ?悪いけどななみやみさみさになびいてくれる可能性はかなり低いんじゃない?」
その言葉を聞いた2人は互いに顔を見合わせて、無言になった。
その状況に、
麻「あ、ゴメン。」
と言葉を発したその瞬間に、袋からお酒の缶を取り出した2人。
美「ななみん今日はトコトン飲むわよ!」
奈「そうだね。こんないいオンナの魅力になびかない響がおかしいんだよ!」
「「カンパーイ!!」」
ハイテンションで飲み始めた2人。
麻「変なスイッチ入れちゃったか〜。…早く響帰ってきてくれないかな…。」
と思わず呟く。
酒が進み、おかしなテンションになって来た2人は、
奈「今日、響にキスしてやったわ。」
美「え〜ズル〜い。みさも響が帰って来たらしちゃお〜っと。」
奈「ウソ泣きしたら膝の上に乗せてくれて背中から抱きしめてくれたの。幸せだったわ。」
美「そこまでしたの〜?今日はみさが響の部屋で一緒に寝てやる〜。邪魔しないでよ〜ななみん。」
奈「うーんどうしよっかなー?」
美「ななみんだけズルいもん。絶対だからね〜。」
麻「こらこら、そんな事したらさすがの響だって怒るわよ。少しお酒のペース落としなよ2人とも。」
美「いいじゃ〜ん。ほらまいやんも飲みなよ〜。」
奈「飲み足りないぞしーちゃん。ハイ!」
勝手に開けられた缶を渡され苦笑いするしかなかった。
麻「…前言撤回、響帰ってくるな。」
そしてその後の出来事に繋がっていった。