5月1日…その後
その降りてきた乗客には見覚えがあった。初めて学校に行ったあの日、駅で目があった。帰りの電車で痴漢に襲われたとき、助けてくれた。
そんな彼女が来ていたのは六色学院の制服だった。
私は相手を見て驚き、相手も私を見て驚きを隠せないでいた。
驚きながらもなるべく目を合わせまいと階段に向かって歩くのを私は遮った。
奈:あ…あのぉ…えぇっと…。あの時は…ありがとうございました。
?:え…?私…?あなた…誰ですか?私と同じ制服だけど…。もしかして…六色学院の娘?
奈:は、はい!六色学院1年1組7番の岡田奈々と言います!そちらは…?
?:え?私…?2年6組の村山だけど…。
奈:せ…先輩…ですか。えーっと…下の…お名前は…
?;ゆいり…だけど?
奈:むらやまゆいり…村山…彩希…む…む!?…村山彩希!?
彩;お、岡田さん…?どうしたの…?ん…?おかだなな…?岡田…奈々…!?えっ!?
奈:ゆ…本当にゆうちゃんなの…?
彩:そっちこそ…なぁちゃん…?
奈:10年ぶり…以上…だよね?
彩:小学校の…途中だったよね…?
奈:急にゆうちゃん学校来なくなって…気づいたら椅子も机も無くなって…うぅっ…
彩:わ…私だっていなくなりたかったわけじゃなかったよぉ…うっ…
彩:こんなところで話すのもアレだし…ウチ来る…?こんな奥来ちゃったら帰る電車もないでしょ?
奈:本当…いいのぉ?行くところ無くて困ってたから…ありがとう。
そうして彩希と十数年ぶりの再会を果たした私は彩希の家に向かった。
突然の再会に彩希の親もとても驚いていたが簡単に泊めてくれ、翌朝の始発電車で私は自宅に戻った。