あぶない体験

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あぶない体験
絵里と千春3
次の日の朝、
朝だよ起きて、ほらご飯出来てるよ。絵里に起こされて目が覚めた。
どんよりした気持ちでのそのそ起き上がる。絵里はおはよって笑顔で俺の顔を
覗き込んだ。「んぅ、おはよ…」。カーテンの木漏れ日が絵里の顔を照らしてる。
その顔を見た時、あぁやっぱり可愛いなぁ…って改めて思った。
でももう、なんとなく2人は続かないのかな。とも心の中で思う。

「今日の夜もう一回お話ししよう」。それだけ俺に言うと、2人テーブルを囲んで
朝食を取り、いつもどおりの支度をして、絵里と2人会社に向かった。
そして改めてその日の夜、色々話し合ったが殆ど絵里の気持ちを俺が聞く
形で進行。ざっと言うと、出会って親しくなる程に、ゆうじの気持ちの向こうに、
ずっと奥さんが見えて辛かったと言われ、当然俺は否定したが、夜に寝言で

千春の名を何度も呼んでいた事を言われると言葉が無かった。夢のフラバで
苦しんでいただけなんだが。それでも時間が何とかしてくれると思っていた中で
千春が絵里に接触。話を聞いているうちに、絵里はなんだ、お互いまだ思いあっ
てるんだって感じたと。話しを聞くほどに、俺の気持ちは不安になり、絵里を失く
したくない。これからも一緒でいて欲しいと必死で話したが、

「昨日はいっぱい憎まれ口叩いてごめんなさい。でも少し距離を置こう」
…そう言われてしまった。

その後一人になった時に、千春の行動に凄く怒りを感じてしまい、でも当たる
ところが無くって、壁に飲み掛けのビールを投げつける。どっちにしろ俊夫とも
話しをつけないといけないし、近い内に又故郷に帰って千春の真意を問い
詰めてやる!2人にもうこれ以上、俺の気持ちを引っ掻き回されてたまるか!

それから改めて絵里を迎えにいこう。そう思っていた。

でも…。いいおっさんになった今なら分かる。ほっときゃ良いのに。向こうに
帰って千春と俊夫に会う必要なんて感じない。2人に関わる程に絵里が離れて
行くのが分からなかった俺。絵里との時間を大切にして、もっと絵里の気持ちに
気付いてあげないといけなかったはずなのに。離婚時の後先考えない行動と
いい。…若かった。

でもその言葉で片付けるに以上に、自分が子供で精神的にも未熟すぎた。
絵里が今どうしてるか俺は知らない。でももしあの時ああだったら?こうだっ
たら?今も時々考えてしまう。絵里ともう一度。もしも許されるものなら…。



そして最初に不審に感じたのはバイククラブの飲み会だった。

表向きは会社でも普通に喋って、笑って、バイククラブでも俺と絵里は、まだ
付き合っている形でいたから、その時の飲み会でも普通に俺の隣に座って。
20人くらいで座敷を借りて、男性陣が多い中、絵里は料理を取り分けたり、
注文したり、皆と面白おかしく喋っていた。絵里は元々気配りのできる、思い
やりのある娘だったから、

その時も彼女にとったら普通の行動だったかもしれない。何気に秀さんが
テーブルをキョロキョロしてた時に、絵里がすっとメニューを渡すのを見て、
何か違和感を感じた。

「はい、これゆうじの分ねw」
料理を取り分ける絵里

「あぁ…ありがとう」
……わからない。何か表現が難しいんだけど、秀さんも

「さんきゅう♪えりちゃんw」
なんて、メニューを受け取って皆と笑っている。周りを気にしつつも好きな人に
対しての気配りも、忘れていないって言うのかな?そんな感覚を俺はいつも
絵里から感じていたんだけど、それを秀さんに対しても?いや?考えすぎかも
知れないし、今も絵里はニコニコ俺にも話しかけてくれているし、

俺の思い過ごしか。只、昔のふっと千春と俊夫が最近おかしいぞって、注意
してくれた友人とのやり取りを思い出して、あの時も俺は暢気に構えてて
最悪の結果だった。そう考えたら、胸の奥で言いようの無い不安に襲われた。

…絵里の顔を無意識に見ていたんだと思う。

「ゆうじ?どうしたの??」

「あ…。いや、なんでもない」
絵里はきょとんとした顔で、

「ゆうじ大丈夫?疲れてない?熱?風邪でも引いたの?」
…おぉ、おぉ♪お二人さん相変わらずお熱いねぇwwww皆がはやし立てて
どっと笑いが起こった。絵里は、「もう♪やめてくださいwww」俺もハハッて苦笑い
して、でも何となく秀さんの方には顔を向けれなくって、何で俺こんなに卑屈に
なってんだ?自分で自分に腹が立った。それから何人かと2次会、3次会と俺も絵里も

カラオケや、バイクショップの親父さんが通うスナックに付き合って、
深夜にお開き。秀さんは知らないうちにいなくなっていた。

先に帰ったのか?お開き後、俺と絵里は途中まで一緒にタクシーに乗って先に
絵里が下り、続いて俺の家まで向かう。…でも。俺はタクシーの運転手に断って、
直ぐに降ろしてもらい絵里のマンションに引き返した。

部屋の明かりはついている。前までだったら迷う事無く、呼び鈴を押して部屋を
訪ねたろうけど、無理に尋ねて嫌われるのも怖かったし、距離を置いている
今、そういう訳も行かなくて、俺は又、例の換気口から部屋を覗くことにする。
この時は見つかるのが酷く怖くって、階段を上がる靴音や屋上に向かう扉を

開けるのにも、音を出さないよう慎重にしんちょうに換気口に向かい、まだ酒が
残っているせいもあるんだろう。色んな気持ちが、ごっちゃになってふわふわして
いた。換気口を覗いてみる。絵里はまだ服も着替えて無くって、うつ伏せで、
ベッドに寝そべっていた。換気口に耳を当てて、聞き耳を立ててみたが、
テレビの小さな音声しか聞こえない。他に誰もいない?ようだ。

なんだ…。。。一人だった。絵里はふぅ〜。って大きくため息を付くと、仰向けに
身体をひねって大の字になった。

と、そこに電話が鳴る。こんな時間に…。
「はい。○○です。あ、大丈夫ですよ。えぇ、そんな、でも思ったより楽しくって。
え?ギクシャクはしていないですよ?いつもどおりにゆうじも接してくれています。
いえ、いつもありがとうございます。そうですねぇw又相談に乗ってくれますか?」

「そんな、そしたら今度は私が奢りますからw えぇ、それじゃ。えっ?だめですっ
てww ここは誰も入れませんからwwもうw はい、おやすみなさい。」

そんなやり取りだったと思う。秀さん?絵里の電話番号知っているのか?相談っ
てのはきっと俺の事なんだろうな。 てかここは誰も入れませんて…。

そんな事を考えながら、暫く様子を見ていたんだが、何にも無いんだったら
帰ろうかと思った矢先、又ベッドに大の字になった絵里の様子がおかしい。
上着は既に脱いでいて、中はトレーナー、下はジーンズだったのだが、
トレーナーの下から右手を入れて、右胸辺りで指先が動いている。

乳首をいじってる?丁度乳首あたりでと小さく手が動いているのが見える。
目をつぶって、口が少し開いている。オナニー?女性がオナっているの見る
なんて、その時が初めてで目を見張った。暑くなったのかトレーナーを脱ぐと
ブラを上にずらし、明かりの下で右胸全体を揉みながら、時々乳首を

つまんでいた。声は聞こえない。でも完全に感じている顔で。俺のジーンズの
中も痛いくらいに勃起してて。両手で両胸を揉んでみたり、右手で今度は
左胸の乳首を手のひらで転がしてみたり。ぶっちゃけ、なれた感じに常習的に
オナニーはしていたんだろうなぁ。絵里もやっぱりするよな。

なおも右手は交互に胸を触りつつ、左手がジーンズの上から股間へ。内モモの
間に4本の指を差し込んで、股間で指をゆっくり曲げたりさすったりしていた。
時々右手とあわせて両方の手を股間に差し込み、ゆっくりマッサージするよう
に揉んで。初めて「あっうぅ〜ん」。と絵里が喘いだ。

そのうち我慢できなくなったのか、仰向けのまま、両足を揃えて上に上げると、
腰を上げて一気にジーンズを脱いだ。パンティははいたままで、若干足を
開くと、左手を胸に右手をパンティの中に、「うっっ…」ってあごを少し上げながら
絵里がうめく。最初はゆっくり人差し指と中指でそこの筋にそってさする感じ、

きっとクリに当たるからだろう、その時に合わせて、うぅ、ふっって声を漏らして
いた。俺も四つんばいで覗いていたんだが、我慢できずジーンズを膝まで
降ろす。やがて絵里の右手の動きが早く、激しくなり、わずかだが
ちゅ、ちゅ、ちゅ、ちゅって音が聞こえた、しばらくその様子が続いたが
やがて、「ふっっぁ、うん!!」

と苦しそうな顔をして、両足を指先までピンと伸ばす、そして脱力してた。
逝ったみたいだ。少しこっけいな姿だが、パンティを膝まで降ろすとがに股に
なって、ティッシュでそこを拭いて、そのまままた足を伸ばし、パンティは上げ
ずに薄い絵里の陰毛も丸見えのまま、そして溜息をつく。はぁ…。

何か見ては行けない物を見てしまった気分になる俺。俺も絵里が逝くのを
見つつ、合わせて床を汚してしまった。絵里は呼吸を整え、目をつぶり、
ぼーっとしている様にも見えたが、しばらくして何故だか右ひじで顔を隠すと、

…うぅ…。う、う…。う…と声を殺して…泣き出した。

何故泣くの?絵里でオナった罪悪感と自分の今のみっともない格好、
今更なのに俺の変態具合に嫌悪感を持ち、まだ泣いている絵里から目を
離すと、マンションを出た。夏が終わり、少し涼しくった夜明けの空を
見ながら、変な疲れと焦燥感。絵里が何故泣いていたのか。

今も全く分からない。



あれから1ヶ月はたったろうか、1人で家にいるのが嫌で仕事を抱え込み
休みの日はバイクでふらッと出かけた。そして夜は眠れなくなった。絵里が
秀さんに抱かれているシーンが頭を巡り、堪らなくなってオナニーに
ふける。千春の時と同じ事を繰りかえしてんな。何にも変わってない。
俺は…。1人ごちて、ぬるくなった缶ビールを煽って。荒んでいたと思う。

バイククラブのツーリングも参加しなくなり、この街に来た時と変わらない
毎日を過ごすようになった。

会社でも口数も減り、余り表情を出さなくなった俺を、絵里は心配している
ようだが、話しかけてきても、適当に聞き流し忙しいからとあしらった。
俺最低。そんなある日の会社での昼休み、絵里が俺の前に立ち、俺の
顔を見上げると、何時もの優しい笑顔で

「今度の週末にね、私のおうちで鍋パーティーするんだけど?こない?
バイク仲間も来るし、5人くらいなんだけど、ゆうじもおいでよ。」

上目使いで何となく俺の顔色を伺っている絵里に、何故かムカついて

「あぁ、俺忙しいから。てか俺たち距離おいてんじゃないのか?」

沈黙

「…ばかぁ」悲しそうな顔をして涙を浮かべ、絵里がその場を立ち去った…。
そうだよなバカだ俺。ほんと。どうしようもないや。

その週末。夜8時?9時くらいだったろうか、自宅にいたのだが電話が鳴っ
た。出るのが面倒でほっといたら、留守伝に切り替わる。

「ゆうじくん、いないのかぁ?こっちは盛り上がってんぞぉ!まだ間に合う
から、バイクかっ飛ばしてこっちこいよぉ!出ないと俺がえりちゃんたべちゃ
うぞぉwwww」
! 秀さんだ。後ろの方でキャーwwwとか歓声が聞こえている。

「待ってるからなぁ!女ばっかでいいぞぉwww」
電話が切れる。ふざけやがって…。でも絵里の部屋に秀さんが居るんだ。
どんよりとした気持ちと、表現しにくい不安感。………バイクのキーを
握り締めると、絵里のマンションに向かった。


ピンポーン。絵里の部屋の呼び鈴を押すと、「はぁーい」玄関扉が開くと
そこに絵里がいた。

「いらっしゃいw、寒かったでしょ?さぁ中に入って」
連れられて中に入る。

「おぉ〜真打ち登場だぁww」
秀さんが歓迎ムードで笑いながら声を掛けてきた。

「ゆうじ君遅かったじゃないw」「さては浮気してたんじゃないのぉ?」
「絵里を泣かすなよぉwww」
みんな好き放題言ってくれる。皆に手招きされて、座らされると改めてビールで
乾杯をした。秀さんは後で女性陣を送るためらしく、酒は控えていた様だ。
それからバイクの話や恋愛話し、結構盛り上がって気が付くと夜も更けて、
俺はしこたま酒を飲んだせいか、いつの間にか絵里の部屋で眠っていた。

……「じゃあえりちゃん、下で待ってる他の女性陣送ってくるよ、散らかしっぱ
なしだけど後よろしくね。」

「いえ、楽しかったですw又お鍋しましょうww」…。

少しの沈黙。

……「ん!…ダメです」…  …「じゃあ、送ってくるわ、おやすみ」……。

玄関先で絵里の腰に手を廻し、不意にキスをする秀さんを見た。

見てしまった。

絵里の肩越しに俺を見る秀さんの視線。酔いが廻っているはずなのに
意識だけはハッキリし動悸が激しくなる。絵里は玄関を閉めると、俺の側に
近づいて顔を覗き込む。目をつぶり、必死で寝息を立てる俺。でも呼吸が
震えているような気がする。

眠った俺の顔を見て安心したのか、絵里は「はぁ」と溜息をつくと、女の子
座りをして…。
「ゆうじ…。ゆうじはあたしのこと好き?」俺の頭をなでながらつぶやいた。
悲しそうな、切なそうな。絵里はそっと立ち上がり俺に毛布を掛けると、
食器の後片付けを始めた。薄目でキッチンに立つ絵里の後姿を見ながら

さっきの光景が目に浮かぶ。。。絵里…絵里…。



あの日以来…会社で俺を見つめる絵里の目が、何かを言いたげに感じる
ようになった。でもあえてそれに気付かぬ振りをして、絵里と接した。
秀さんは俺があの夜、起きている事を知っていて、宣戦布告って事なんだ
ろうか。絵里は俺の事で色々相談したんだろう。秀さんの事を完全に信じ
きっている。思い切って絵里に声を掛けてみよう。今ならやり直せる?

「絵里、今日会社終わったら家に行っていいか?」
会社の廊下ですれ違いに声を掛けて見た。

「ごめん、今日ゆう子とご飯食べに行く約束してるんだ、この次じゃダメ?
家に来るかもしれないし」

「そうか…分かった」
節目がちに答える絵里に、何となく嘘なんだろうと思った。でもそれに気付
かない振りをして、…心が冷えるって感じかな?いや、気持ちが付いていか
ないって言うか。この時点で変に冷静に自己分析している自分がいて、
この誘いを断った絵里に、俺は何となく今日で全てが終わるような気がした。

予感て当たるもんです。そう特に悪い方。

時計を見ると11時を廻った頃だったと思う。絵里のマンション下から部屋を
見上げ、明かりの着いていない事を確認すると、又例の換気口の前に向かう。
マンションの駐輪場には絵里のバイクが止っていたから、徒歩でどこかに
行っているんだろう。秀さんと食事か、デートかもな。それで俺はここで
覗きっとw …なさけないな…ほんと。思わず口に出た俺の独り言。

そして

絵里は帰ってきた。     秀さんと一緒に。

玄関前の二人

「えりちゃん大丈夫か?飲みすぎだ。ほら俺がえりちゃんち知ってたから
良い様なものの、一人だったらどうすんのさ」

「ふぅ…その時はゆうじに迎えに来てもらいますから、大丈夫ですよww」

「俺と一緒だったら、ゆうじ君怒るぜぇww」

「ゆうじは優しいからそんな事で怒りませんww」

「じゃあ何で今日はゆうじ君呼ばないの?ww」

「……知りません」
2人の会話が、屋上へ上がる階段扉越しに聞こえる。直ぐ隣に俺がいるに。
そのまま2人が部屋の中に入ったようだ。

「ほら、えりちゃん靴脱いで、パンツ見えちゃうぞww」
泥酔状態の絵里。秀さんは絵里の靴をぬがしているようだが、換気口の死角で
手前側が見えない。そのまま絵里を抱え、ベッドに寝転がすと秀さんは部屋を
見回して、俺と絵里の写真盾を倒した。そしてそのまま絵里の上に圧し掛かる。

「あっいやです。だめ、」

「えりちゃん。俺も酔ってるけれど気持ちは真剣なんだ、俺と付き合ってくれ」

「だめです。酔ってる時に何か…うっ…」
絵里の口を秀さんが口でふさいで、逃げないように両手で、絵里の両手首を
掴み上に。身動きが取れ無い様にしてから、改めて口をふさいだ。

「んー、うぅ…。うぅん。うふぅうふ」
バタバタ身体をゆすって抵抗をしていた絵里だったが、執拗な秀さんのキス
に、ふっと力が抜けたように動かなくなった。秀さんは顔を離すと

「えりちゃん男をしらなすぎるぞ。独身の男を部屋に案内するなんて、軽い女
と思われてもしょうがないなw」

「はぁはぁ…じゃあ、離れてくだ…さい。秀さんの事信用していたのに…」
息も絶え絶えに絵里が答える。

「それはできないよ。俺とえりちゃんはこれからお楽しみなんだから、肌の色
白くて綺麗だな…」
秀さんの声はさっきまでは笑いながら喋っているようだったが、今はきっと
無表情なんだろう。無口になり、首筋に唇を這わせ、また絵里の口をふさぐ…。

「ん。ふぅ…くちゅ、ちょ。ふぅ、ふぅ、む、んんん」。
絵里の服を脱がしにかかり、絵里は又抵抗しようと暴れているが、酔っている
んだろう、力が入らず絵里の真っ白な胸が秀さんの視線の下にさらされいく。

「綺麗な胸だ…」
ちゅ、ちゅ、ちゅば

「あぁ、いやぁ、やだぁ…やめて…」
秀さんは無言で絵里のスカートをたくし上げると、絵里の左太ももを跨ぎ、足
を閉じさせ無い様にしてから、ブラウンのストッキング越しに股間を掴み、
小刻みに手を動かしだした。

「あっ!あぁぁ!くっ…うっ、うっ、はぁ」
絵里があえぎだす。秀さんは隙を見て、更にスカートをたくし上げると、ストッ
キングごと絵里の下着を下ろした、秀さんはやはり無言で、絵里を裸にする
事に没頭しているように見えた。

そして、下半身を裸にすると、両足の間に割って入り、足を閉じられないように
して絵里の股間に右手を差し入れ、今まで乱暴に服を脱ぎ散らかしていたのに
そこを触るときだけやさしく、ゆっくり弄りだした。

「もう、準備良いみたいだな。濡れてるよえりちゃん」
はぁ、はぁと言うだけで、抵抗する気力もない絵里に、そうつぶやくと秀さんは
腰を進めて絵里を…貫いた。

生だ…。恥ずかしがりやなのに明かりもつけっぱなしで。

「あっ!、あっ!、あっ、あぁ、う、ぅうう、は、」
絵里の体が揺れる。両足も身体に合わせてふらふらと揺れていた。
絵里のあえぎ声とベッドの、ギッ、ギッ、ギッ、ギッ。って音だけが部屋の
中でする。俺は四つんばいで、下半身をさらし自分のものを覗きながら
しごいた。

嫌がっているのなら、きっと助けに行ったさ。

でも目の前に広がる絵里の姿はそうは見えず、秀さんがキスをすると頭に
両手を回して彼の髪を掻きむしり、むさぼる様にその唇を吸っていた。

「むぅ、うぅ、ちゅぱ、ちゅ、はぁ、あっ、あっ、あぁ、は!、は!、はぁ!」
お互い腰をぶつけるように、そして唇が離れると、秀さんは絵里の両足首を
つかむと自分の両肩に担ぎ、上から押さえつける様にして、更に絵里の
中に深く差し込んだ。

「あぁ、いや!いや!だめ…で…はぁぅあ!、あっ!、うっうっうっうっ…」

その体位だと、秀さんの背中とそして絵里の中に、ぬめった太いものが
機械のように出し入れされている様子がはっきり見えた。ものの根元の
あちこちに、白いクリームみたいなのが付いている。そして絵里の大陰唇
からから肛門を伝って下に流れ落ちているんだろう、縦に怪しく光るぬめ
りも見えていた。

……なんかさ、2人の様子を見てるうちに、何故だろう。興奮は冷め俺の
ものは縮み、あぁ、なんか疲れた…な。その様子を目の当たりにしたら、
泣くかなって思ったけれど、案外涙も出ないもんだ。ふぅ。

俺はゆっくりと立ち上がるとジーンズを上げ、絵里の部屋の玄関に立つ。
わずかに外に聞こえる絵里のあえぎ声。あぁほんと、終わった、終わった。
あぁあ。玄関扉の郵便ポストに、絵里の部屋の鍵を落とす。カチャン。

それから普通にマンションを出て、バイクのエンジンを掛ける。
夜中にフオオォン!集合マフラーの音をわざと大きくし、絵里に聞こえれ
ばいい!そんな事を思いながらバイクのスピードを上げる。

そして自宅に帰った。眠い。とにかく眠かった。

それから。
休み明けに会社に行くのが億劫で仕方がなかった。何もする気になら
なかったし、気力もない。ただ家でぐずぐずしていても、絵里と秀さんの
セックスシーンが頭をめぐる。なんか千春と俊夫のセックスと、絵里と
秀さんとのセックスが頭の中でごっちゃになって、休みの間中、勃起が
収まらなくって。でもオナニーをしようと横になると何故だか、

俺のものが使い物にならなくなった。インポにでもなったか?俺。
とにかくなんとか会社に行こう。仕事いっぱいして忘れよう。


会社に着くと、駐輪場には既に絵里のバイクが止まっていた。なんだか
絵里のバイクの隣に自分のバイクを止めたらいけない様な気がして、
いつもと違う所に止める俺。あぁ心の狭い人間だな。

だから好きな女盗られんだよな。

「ゆうじ…」
小さい声だがすぐ後ろにいたんだろう!ふいに声がした。
全く気づかなかった。そして振り返るとそこに絵里がいた。

…気持ちがぞわっとざわつく。鳥肌が立った。

咄嗟に俺は絵里と視線を合わようとせず、そこには誰もいない様なそぶりで
メットを片手に、社屋に入ろうとする。

「…まって」
絵里の顔を一瞥し、無言で冷ややかな視線を送った。それだけで絵里は泣き
そうな顔をして、
「あの鍵…ね。ポストにあったんだけど…」

「…絵里、俺の家にある私物取りにこいよ」  「あ…あの…ね」

「俺がお前の私物捨てんの嫌だし、触りたくもないから」

「…待って、はなしを…」

「話しなんかねぇ!!!」
絵里に怒鳴りつけると、ビクッと体を震わせ、全てを悟ったのか、顔をくしゃ
くしゃにしてその場にしゃがみ込み、顔を両手で覆った。肩が…震えている。 

いたたまれない気持ちになって、一瞬手を差し伸べそうになった。けれどあの
夜の絵里が頭を掠め、俺の動きが止まる。

どうにもできない自分の苛立ちに 「チッ」舌打ちをして、絵里をそのままに社屋
に入った。あぁ、またどっかに逃げよっかな。へたれ上等。それが俺だよ。

そう…俺はとうとう絵里と別れた。いや…別れてしまっ…た。


迎夢 ( 2014/06/01(日) 05:15 )