堕落
04
1ヵ月後、仲村は若者の常連になっていた。
何も趣味のような物がない仲村にとってシャブは初めて娯楽だった。
シャブを覚え、今まで恥ずかしくてほとんど行くことの無かった風俗にも行くようになった。女性と話す事もシャブの力を借りれば平気だ。そして今までは全くやることの無かったギャンブルまでやりだした。
仲村は今ではシャブを飲むのではなく炙って吸っていた。売人が言うようにそちらのほうがキマるからだ。

サラリーマン時代に貯金した500万円があるので当面は生活できる、そう自分に言い聞かせて仕事すら探していない。
シャブでエロに走り、その後2、3日は体から抜き、また宇宙人(シャブを食う)になる生活を繰り返していた。
仲村は3日寝ていない。シャブが切れてい身体はダルいし気は重い。
シャブがやりたくてしょうがない。これがシャブの怖いところで仲村は1ヶ月間ほとんど体から抜かずをシャブを使用しってた為に1ヶ月という短期間ですっかり覚せい剤に依存してしまったのだ。

やりたくて仕方ないのでシャブを買いに売人がいる公園に向かった。
普段なら何でもない公園までの道のりだが悪い事をしているせいか、すれ違う人が警察に見える。これも覚せい剤の副作用だろう。

公園につくとサングラスをかけた若者がいた。
仲村はその男に近づく
「おう、オッサン、またいるのか?」若者はいつも通り声をかける。
「2万円分くれ」仲村は財布から金を出す。
「オッサン、炙りよりもポンプの方がちょっとでキマるぜ。サービスで一本つけてやるからやってみな」
若者はそう言うとパケと注射器をを仲村に渡した。
「注射はやったこと無いんだ。やり方もわからないし。どうやってやるんだ?」
「どうやってって言われても・・オッサン携帯番号教えてくれよ。後でやってやるからさ」
「携帯番号か・・・」仲村は少し考えた。別に若者が嫌なわけではないが、もし若者が捕まり、自分の番号が入っていれば仲村自身も警察に捕まる可能性がある。それに正直、注射器で体内に異物を入れるのには抵抗があった。
「注射はいいや、私はシャブ中じゃないんだから」仲村は若者にそう言うと若者は笑い出した。
「ワハハハ、シャブ中じゃないって。オッサンすっかりハマってんじゃんかよ。こんなにハマると思ってなかったてのに」
仲村は若者にポン中と笑われたことに腹が立ち、若者に帰ると言って公園を出た。
ポン中と言われて腹が立ち自分はポン中ではない、シャブなどはやめようと思えばすぐやめれると何度も自分に言い聞かせた。
しかし早くシャブをやりたいのは事実だ、仲村は急いで自宅に向かう。シャブがもうすぐやれるという事から糞がしたい衝動に襲われながら自宅へと向かった。
シャブを手元に持っているという負目からだろう、すれ違う人が警察ではないかと疑うが自分で自分を落ち着かせながら帰宅した。


迎夢 ( 2013/07/31(水) 10:19 )