堕落
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やはり売人だった。
「何があるんだ?」
仲村はシャブを買いに来たのだがあえて聞いた。
「覚醒剤
エス
、大麻
ハッパ
、大麻樹脂
チョコ
、MDMA
エクスタシー
、LSD
エル
何デモアル」
さすがはイラン人およそ日本ではいる薬物は何でもあるのだ。
「値段はいくら?」
仲村は尋ねるとイラン人はポケットから連絡先の書いた紙切れを出し仲村に渡した。
「ココカケル、何デモアル」
さすがは麻薬密売グループだ。完全に組織化されて手元には置かずに密売してるのだ。
番号を受け取ると仲村はその場を立ち去った。

少し歩きひと気がいない場所で090−XXXX−XXXX仲村は紙に書かれている電話に電話した。
「ハイ、モシモシ」
外人なまりの声が電話口から聞こえる。何と話を振ればよいのだ?
「・・・なんかおいてるの?」
電話口からは慣れているのだろうすぐに返答があった。
「何デモアル、アナタ今ドコ?」
「新大久保だけど?」
「新宿ヤバイ。警察イッパイ、他ノ場所二シテ」
仲村は困った場所と言ってもどこにすればいいのだ?
「東京23区ナラ、ダイタイ大丈夫」
だいたい大丈夫と言ってもどこなんだ。仲村は自宅のある場所を言った。
「練馬区のあたりは?」
「練馬ノドノアタリ?」
「としまえんのあたりなんですが?」
「としまえんOKよ、時間9時OK?」
仲村は時計を見た。時間は8時30分。万が一の事を考えて9時30分頃にした。
「9時30分頃にしてください」
「9時30分Ok。何イリマスカ?」
ここで下手に出ればいけない。品物が欲しいが強気で言った。
「Sなんだけど2万で05くれ。注射器
ポンプ
1本付きで」
「・・・OK。ツイタラ電話クダサイ」
初めてにしては仲村は上出来だった。外人売人に対してもりっぱに商談成立させた。警察の可能性はまず無いがあとはシャブを外人から買うだけだある。それさえ終われば約5日ぶりのシャブである。仲村はテンションが上がり、もうすぐシャブが打てるかもとの期待から便意をもようした。
とりあえずは練馬駅に向かう為、来た道を戻るために最寄の駅、新大久保駅に向かった。

新大久保駅に向かう為、道を歩いているとパトカーがと通りすぎていった。やましい気持ちのある仲村はついつい下を向き目線をパトカーからそらし歩き続ける。
パトカーは10m先くらいで先でとまり、中から制服を着た警察が4人降りてきた。
仲村は驚いた、しかしここでUタウンなどしたらもっと不自然だ。それこそ怪しい。ここは知らん振りして通りすぎるのが1番怪しまれないだろう。そう思うと目を合わせないように下を向いて歩いた。
しかし4人の警察は仲村に向かってくる、ヤバイ仲村も動揺を隠せない。鼓動が早くなりる。
案の定、警察は仲村に職質をかけて来た。本人は自然なつもりでも帽子を深くかぶりサングラスをした男はどう見ても怪しい。

ここは新宿なのだ。職質の嵐の町なのだ。
「すいません。四谷署の者ですが」
仲村の鼓動は一気に高鳴る。


迎夢 ( 2013/07/31(水) 10:23 )