02
ストリートライブの場所を探していた佑唯は、ふと考え事を始めた。
渉の旅についていって日が経つが、寂しい気持ちはまだない。だがこれまでの旅を整理してきて、ある疑問が浮かんだ。
この旅が終わったら、自分はその後どうしようか。また、どうしたいのか。
渉の旅にはフィーリングでついてきた。それが良いと思ってついてきたのだが、いざ、この旅を続けていて思うのは“自分の目的”である。
最後はどうしようか。それを考えると、渉に申し訳ない気持ちも沸いてきた。
佑唯は携帯を開くと、渉とのツーショット写真を眺めた。
(白兎夜さん・・・)
するとその時、佑唯の近くにどこからか飛んできたマフラーが落ちた。それを拾うと、道の先から走ってくる人がこちらに声をかけた。
「あーそれあたしのー!」
年齢は20代後半というくらいだろうか。しかしその女性、佑唯には見覚えがあった。
以前、須藤貴博という男と一緒にいた、やけに活発な女性。そう、古川愛李である。
「ありがとね、今日は風が強いからマフラー飛んじゃって」
「あ、いえ・・・」
「そんじゃ、おーい諒!行くぞ!」
古川愛李は諒という男と一緒に道を歩いていった。
「ねえ諒、今の娘よくない?」
「何がぴんときたのさ?」
「一瞬だったけどわかった。顔が幼い割に胸がデカくて、処女だわ」
「またろくでもない事を」
「この前暇潰しに作ってみたゲームにプログラムしてみっかな」
「どんなゲームだよ」
「んー?プレイヤーが諒になって、出てくる女をパコるっていうシミュレーションのやつ」
「はぁ・・・そんな類いのものが出来たら、俺は必ず出てくるのか」
「いいじゃん、諒みてぇなデカチンと才能を欲しがってる野郎なんか、いくらでもいるんだし」
「ふざけんなよ・・・これが恵さんにバレたらどうなるか」
「別によくね」
「よくねぇよ!」
「ま、そんな事はどうでもいいとして、さっきのあの娘、あたしの勘が言ってんのよ。なんかあるよ、あの娘には」