3.正義とルールの狭間で
進展
警視庁捜査一課室

「飛鳥さん、これ見てください」
防犯カメラ映像をチェックしていた美月が不審な点に気づき、飛鳥に確認を求める。
「この宅配便業者の男、かなり大きいダンボールを持ってオートロックを入っていってます…それで…」
15分早送りすると、その男が同じダンボールを持ったままエントランスを出ていく姿が映っていた。
「普通、宅配便で大きな荷物を持ってそのまま帰るならオートロックの時点で不在を確認して出ていくのが普通ですよね?」
「そうね、受け取り拒否の可能性はあるにしても、普通に考えたらこのダンボールの中身は…」
「ですね、この男について調べます」
「お願い、これでかなり進展しそうね」
「そう思いますけど…なんかまだ嫌な予感がするんですよね…」
飛鳥も美月同様の違和感は持っていた。もし殺人に紛れてアイドルの個人情報データを持ち出した男と、この宅配業者の男が同一人物であるなら、明らかに後者の犯行はずさんすぎる。
「わかるけど今できることをやろう、それが後に絶対繋がるから」
「そうですね、頑張ります!」
美月が去っていくと入れ替わりで豊が飛鳥の元にやってくる。
「ここ数日で盗難被害にあっていた車で乗り捨てられてたのを調べてたら大当たりがあったぞ、トランクから被害者のものと思われる頭髪が出た」
「ナイス!ご苦労様!」
「人を駒みたいに使うなって言ってた奴の頼み事とは思えないなホント」
「これでおあいこでしょ?」
イタズラに笑う飛鳥。
「同期のよしみでそういうことにしとくさ、それはそれとして、わかってるとは思うがこれで終わらんぞこの事件は。裏で大きなものが糸を引いててもおかしくない。気をつけろよ」
「心配してくれてんの?ありがと」
「山下さんにも無理するなって伝えといてくれ」
「はーい」
その後、盗難車の発見位置から近所の聞き込みを行った結果、付近の廃工場にここ数日頻繁に人の出入りがあったこと、そしてその男が美月が防犯カメラで指摘した宅配業者を装った男と一致した。また、その男は坂之上46の大ファンであり、堀未央奈を特に推していたこともわかった。


ブラッキー ( 2022/11/13(日) 17:16 )