呼び出し
奏翔と菜緒は昼休憩の前の授業を終え、弁当を食べようと準備をしながら、菜緒が奏翔にバスケ部に入るのかを問いかけ、奏翔も答えをはぐらかすのに困るというやり取りを数分の間に何回もしていた。
そこに、愛佳と理佐が2人を呼びに弁当を見せながらやってきた。
愛佳「よ。2人と話したいから、別の場所で食べない?」
理佐「2人ともそんな顔しなくてもさ、おって食べようってわけじゃないんだから。」
2人の顔を見ると、苦笑いして答えるが目付きだけは有無を言わせぬ強さがあった。
奏翔と菜緒の2人も愛佳と理佐の元に行き、4人は校庭に出ると隅のベンチに座りご飯を食べ始めた。
理佐「あんたら2人も仲良さそうでよかったよ。
このままバスケ部入れば?」
愛佳「理佐、その言い方だと入れって言ってるようなもんだよ?」
2人は顔を見合わせるとニヤリと笑った。
菜緒「なんか、志田先輩と渡邊先輩って付き合ってるみたいに仲良いですよね。
もしかして、レズカップル?」
菜緒のおかげで、奏翔は答えなくて済んだが、それよりも菜緒の問いかけの方が衝撃的だった。
奏翔は飲んでいるお茶を吹き出し、ふざけてベンチに座っていた愛佳はそのままひっくり返り理佐は目を点にしていた。
奏翔「菜緒ちゃん、さすがにそれは先輩たちに失礼だよ?」
愛佳と理佐の様子を見て慌てたように奏翔は言った。
愛佳は、苦笑いしながら起き上がると首を横に振って「うちは、大丈夫」と言って立ち上がった。
理佐「付き合ってないから。
でも、仲良さそうでよかった。今日、来てくれるか分からないど待ってるから。
じゃ、そろそろチャイム鳴るしうちら行くよ。あんたらも向かいなよ?」
理佐と愛佳は教室に向かおうと立ち上がり歩き出すと後ろを振り向いて笑顔で手を振った。
菜緒と奏翔も先程のことを笑いながら話して教室に向かっていった。