ソコ触ったら、櫻坂?




































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♯37
魍魎の贄decadance〜pretty tied up 第三章
第三章 ザーメン孕み地獄

ねるが目を開ける。暗いところにいた。

「ん……何?」

なぜか顔と手が一枚の板に並んでいた。いつの間にか、ねるは尻を突き出すような格好で、拘束具にはめられていたのだ。

「ハッハッハッハッ……」

荒い呼吸が聞こえる。辺りを何かがうろついている。足音がねるに迫っていた。

「ガルルルル……ウオォォォォォッ!!」

「きゃああ!」

突然、魔犬が飛びかかってきた。

ねるは逃げようとするが、拘束されているため動けなかった。

「ンン!魔王のペットが……私の様子を見に来たわけ?くふ、うぅぅ……!」

ガツガツと熱い肉棒が股間に当たる。魔犬が背後をとり、肉棒をぶつけていた。

「いやああぁぁ!離れてぇぇっ!」

「ガルルル、ウゥゥゥ!」

耳元で魔犬達が唸っている。魔犬の群れに囲まれているのだということがようやくわかった。辺りを見回すと、いくつもの眼光がこちらに向いていた。

「もうっ……なんなのよぉぉっ!」

大小様々な魔犬が息を荒くしながら、ヨダレを垂らしていた。尖った牙を剥き、うなり声をあげている。

「ガルルルルル」

「グォォォォッ!」

暗がりをうろつく魔犬達に囲まれ、背後をがっちり押さえ込まれ、逃げ場はない。秘裂には、濡れた肉棒が迫っている。

「んぐっ!!」

ずっちゅぅぅっ、ずずずんっ、硬いものがねるの雌穴に突き込まれた。驚く間もないほどの速攻だった。よほど盛っていたのだろう。ギリギリとねるの脚に爪を立ててくる。

「ひぐぅぅぅっ、うぐぐっ……い、犬に……犯されるなんてっ……」

いきなり背後から雄音を挿入されてしまった。身体が硬直する。ぐっと悲鳴を飲んだつもりだったが、耐えきれなかった。嫌悪感に背中がざわついてしまう。

「うぅ、んっ……くはっ……ああああっ!!い、いや!何これ!?」

肉棒の根元が膨らみ、抜けにくくなっていたのだ。いわゆる亀頭球だった。まるで長大なペニスのようにも思える。何の前触れもなく、根元まで収まっている。最奥地を掘削するかのように、ゴリゴリと揺れていた。

ねるが顔をしかめ、苦しそうにうなだれる。しかし、首が固定されており、まともに動けない。板にはめられた身体が恨めしかった。

「ハッハッハッハッ……」

「んんんん!ふは、あ、ああぁっ……」

亀頭球に濡れた秘裂が削られるようだった。雄根が柔らかな粘膜を擦り上げている。魔犬は体躯があり、性欲も凄まじい。力任せに長大な肉棒を押し込んでいた。

「うっ……くうっ!ふは、ああっ……こ、こんなのっ……何ともないわよっ……」

ねるは突き上げられ、乳房を揺らしながらも、懸命に自分を奮い立たせた。

ゴリュゴリュ、ズッチュゥゥ、と剛直が音を立てて律動している。素早く強く、雌穴を広げるようだった。この雌を孕ませようという、強い本能が丸出しである。

「あふ!くは、あ、あ、ああぁぁぁ!」

ねるが腰をくねらせて抵抗するが、魔犬に簡単に突き込まれてしまう。拘束されているために、背後が見えない。恐怖が募るが、どれだけ抵抗しても意味がなかった。

ぬちゅっ、パンパン、とぶつかり合う音がひときわ大きくなる。

「ガルルル!ウオォォッ!」

「奥ぅぅぅっ……ぬあああっ、んんん、え、抉れちゃうぅぅっ……はぁ、あ!あ!むああぁぁぁぁっ!」

身動きのとれない今、魔犬の乱暴な後背位に耐えるしかない。だが、拒絶するはずが、激しく掻き回されて欲情しつつあった。

「ハッハッハッ……ウオォォ!!」

「んん、ふひぃぃ……あ、あぁっだめぇ、そんなぁ、い、イキだくないのにぃ……」

あっけないほど、絶頂感が込み上げていた。呼吸がどんどん荒くなり、ねるは自制心が弱まっている。むっとする魔犬の獣臭さにさえ興奮してしまう。

「んんんんん、うぐぐっ……ぜぇぇぇ。ぜぇぇっ……ふは、はぁ……こんな犬……ごときぃぃ……くはああ!!」

ねるが振り絞るように声をあげた。絶頂寸前というところで、なんとか引き返すことができた。しかし……。

「ぐあ!あ……あ、あぁぁぁぁっ!」

堪えていたはずが身体は勝手に絶頂していた。心臓がドクドクと高鳴り、汗が噴き出している。急な絶頂で呼吸すらままならない。

「ガルルルッ……」

「ウゥゥゥ!」

甲高い鳴き声がする。何かがねるの胸に、がぷりと歯を立てていた。

「あ、あ、あひぃぃぃっ……乳首ぃぃぃ……くは、ああっ、い、イっちゃったぁぁ……うぅぅ、魔犬でなんて……あぁ……」

「グルルル……」

「チュパチュパ」

敏感な乳首に子犬の牙が当たり、崩れてしまった。魔犬の集団に埋もれていたのだろう。

思いがけないほのかな痛みに、絶頂してしまったのだ。

「ぜぇぇ、ぜぇぇ……オッパイイキぃぃぃっ……ふは、あ、あん!いやああぁぁ……」

子犬の歯は小さく、味わったことのない快感があった。くすぐったさが格別だった。

「グオオオオッ!!」

「ひゃぁぁぁ!?イッてるのにぃぃ……」

子犬のうなり声に反応したのか、背後の魔犬がさらに激しく肉棒を震わせる。

その衝撃でねるの内腿が痙攣していた。膝が笑ってしまって、立っているのがやっとだった。拘束具がなければ、倒れていただろう。それも許されぬまま、暴力的に犯され続けていた。

「はぁ、あ、あひぃぃぃ……チンポ動きすぎっ……ぬは、あ、あ、あぁぁぁぁっ!」

ねるの口は半開きになり、蕩けていた。乳首を吸われ、身体中の性感帯がピークを維持している。魔犬の乱暴な律動に、意識が飛びそうになるほどのめりこんでいた。陰核が膨らみきっており、そこを巨根がズンズンと擦ってくる。

「ハッハッハッハッ!!」

「ふは、ああっ!すごいぃぃぃっ……あ、ああふっ……キモチいいのぉぉぉぉ……」

ずじゅぅぅ、ズンズン、とペニスが素早く、真っ直ぐ突き進んでいる。大きな雄根の塊が存在感を増していた。ねるの絶頂感は、ゆらぎながらも止まらない。

「むおおおっ……そこらめぇぇ……オチンポきちゃうぅぅぅぅぅ……ぬはあぁぁ、あ、ああうぅぅぅぅぅっ!!」

魔犬の激しい律動が止まらない。巨大な肉棒が子宮を叩き、腟内を激しく掻き回す。尻がタプタプと震えるほどだった。

「んんんっ!はぁあっ……ああ、あひぃぃぃ、イギっぱなしらのぉぉぉぉぉ」

ねるが絶頂に唇を震わせる。甘い快感がふんだんに全身を駆け巡っていた。媚薬の影響もあり、すっかりイキやすい身体になってしまっていた。

「あふっ……あ、あ、あぁっ……だめぇぇ、はう!うぐぐぅぅ、ぬあぁぁぁぁっ!!」

喉がちぎれそうなほどの矯声をあげる。アクメが止まらない。天国にでもいるような高揚感があった。

「ウォオオオオ!」

魔犬もまた、店に届かせるかよのうに吠える。ブシュゥゥゥゥゥゥ、ビュルルル、白濁をまき散らす。

ビクビクと巨大な肉棒が震えた。最奥に向かって、熱い体液を絞り出すようにネチネチと律動している。

「あ、あふ、あぁっ……う、う、オチンポミルクがぁぁ……どばどばきたぁぁ……ふは、あ、ああ……」

ねるは昇天していた。くたりと倒れ込みたいところだが、拘束具がそうさせてくれない。脳天を直撃する絶頂で、呆然とするしかなかった。

「グルルル……」

「ガウガウ!」

魔犬の子が未だに、ねるの乳房に吸いついている。母乳が染み出しているのだろう。気に入ったのか、夢中になっていた。

「はぁぁぁん……ちっちゃい歯がぁ……」

「チュパチュパッ、チュチュゥゥ……アググ……」

ねるの乳首を強く吸ったり、牙を立てたりとじゃれている。

「ん……あ、あぁ……乳首ぃぃ……んん、ペロペロされるとまたっ……はぁぁんっ……」

ねるがうるうると目を潤ませる。ぼんやりする視界には、足早に歩く魔犬が見えた。

「ガルル」

「ウウウウッ……」

いつの間にか、周りにいる魔犬の数が増えていた。涎を垂らし、ギラギラと目を光らせている。魔王がゲートを作って呼んだのだろう。

「ガァァァッ!!」

「ガルルルッ!」

独り占めに怒りを覚えたのか、他の魔犬がうなる。特別なご馳走を前にして、魔王達は猛り狂っていた。魔物にとっては魔法戦士は、強く惹きつけられる存在だった。ねるに襲いかかり、何度か射精してはまた、入れ替わる。

「グオオ!」

「ガァァァァァ!」

ときどき噛みつき合い、ケンカをしながらも、延々とねるを犯し続けた。ねるが絶頂を叫び、気絶しても欲望が止まらない。

「ウゥゥー……」

数体がねるの様子を窺っている。獲物を狙う目になっていた。

「もう……いいでしょっ……んん、うぅぅぅ……」

ねるの陰部が赤くただれ、白濁にまみれていた。睡眠も取れず、水を飲むこともないまま、数時間が過ぎている。

「んんっ!ふはっ……あ、あ、ああんっ!うぅぅっ……すっごいいっぱい……くは、うぐぅっ……オマンコにっ……中出しぃぃぃ……」

犬は一度に多くの子を産むという。自分も大量に魔犬の子を孕んでしまうのだろうかという不安がねるの心を汚染していく。

「ひぃぃぃっ、子犬ボコボコ産んじゃうよぉぉ……あ、あ、あへはぁぁぁぁぁぁっ!」

ねるがだらりと舌を見せながら、白目をちらつかせる。尻を突き出しながら、絶頂を堪能していた。

「ひゃあああああ!!ぜぇ、ぜぇぇ、目がまわりゅ……おっぱいきもちいいぃぃ!はうぅぅっ……ああんっ……んんん、喉もクリもっ……しゅごいぃぃぃぃぃっ」

だらしなく口を開閉させながら、魔犬に突き上げられ、恍惚としていた。圧倒的な劣情に心も蕩けていく。

「むおおっ……あ、ああんっ……きもちいいっ……フハアア……ああ、ザーメン媚薬だぁぁぁぁっ……んん。ふはぁぁぁぁぁぁぁ」

「ウオオオオ!!」

ぬちゅぬちゅぅぅぅっ、ズズン、と肉棒が振り子のように突き込んでくる。精液に含まれた媚薬が、ねるの身体中へと広がっていた。凄まじい量を放たれていた。

子犬に乳首も吸われ続けている。当然、その唾液にも催淫効果があった。

「あうぁ゛ぁぁぁぁ……んんっ、うぅぅっ……ちくびぃ……いいっ……ヒャアッ、ふわふわしちゃうのおぉぉ!」

舌を噛みそうになるほど、顎が細く揺れる。大量の媚薬を浴び続けたと思うと、尚更だった。

魔犬が一心不乱に雌穴を掻き回してくる。犬特有の激しさに、膝がガクンガクンと震えていた。子宮口を亀頭で小突かれるたびに、ねるの意識が飛びそうになる。

「うぅぅっ……長いチンポしゅごい、むはぁぁぁ、イッグゥゥぁぁっ……またいぐぅぅぅぅぅぅっ!!」

激しいピストン運動の連続だった。拘束具がガタガタと音を立てる。敏感な肉豆と乳首が踊るようで、あさましく尻を振ってしまう。ねるは頭が真っ白になるほどの快感に、身を任せていた。

「んほほぉぉっ……オマンコイグゥゥ、ふは、ああんっ……オッパイもイグゥ……ひぃぃぃ〜〜アアァァ!」

目を潤ませ、ゴクリと生唾を飲む。乳首を愛撫され吸われ、危険なほど悶えていた。

魔犬もまた、ねるの欲情に応じるように、素早く穿り返す。

「むあああ、あ、あひぃぃ……おあぁぁ!オマンコもえりゅぅっ……ぬほぉぉぉ!!」

ズブブブッ、ゴリュゴリュッ、と魔犬が巨大な身体をしならせ、加速していた。

最奥を狙い撃ちされて、狂いそうなほど腰を振ってしまう。追い打ちをかけるようだった。野太い肉棒は子宮が潰れそうなほど、力強く律動してくる。

「ひぃぃぃ!や、やめれっ……もうイッてるんだってばぁぁ、ぬはぁぁぁぁぁぁ!」

魔犬は、ねるの半狂乱など無関係とばかりに、さらに肉棒を打ち込んでいる。

「うほっ……ぬあああ、あぁんっ……チンポ暴走してりゅぅぅうぅ、ふあぁぁぁぁぁ、らめぇ、もうらめばぁぁぁぁぁぁっ!」

「グオオオオオ!」

魔犬が咆哮をあげた瞬間だった。

ドプッ、ビクビクン!どっばぁぁぁ……子宮内へと、おびただしい精子が放たれる。

「んあぁ!ヒンッ……ふはぁ、ま、まられてるぅぅっ……ザーメンしゅごいぃぃ……」

魔犬の射精量は非常に多く、時間も長い。肉根がビクビクと跳ねながら、最後の一滴まで注ぎ込んできた。

「うおぉっ……びゅうびゅうっ……れてるぅぅ。ふはああ、あっついぃぃ……オマンコじんじんらにょぉぉぉ……」

ねるは瞳を震わせながら、止まらない絶頂を貪っている。さらに吐き出された精液に、輪をかけて酔っていた。

「あは……はは……はは……ふふ……犬チンポォォ……ふふ……」

小首を傾げながら、不気味な笑みを零す。未だに雄根が揺れているかのように、ねる自身がゆっくりと腰を回す。ピクピクと足先が痙攣していた。

「はあぁ……はあぁ……んんっ……おっぱいぃぃ……ふふ……うふふふふ」

ねるの太腿に、黄金色の水が伝っている。ポタポタと地面に垂れ、魔犬の精液と混ざっていく。水溜まりがじわじわと大きくなった。

「んんんん?オマンコ濡れて……ああん、おしっこ……れちゃったのかな?私……」

恍惚したままのねるが首を傾げる。自分の放尿だとようやく気づいたようだ。うっすらと辺りにアンモニアの匂いが漂う。

「やだぁ……お漏らしなんて……ああ……ザーメンかと思ったのにぃ……えへへ……」

普段のねるなら、お漏らしなど百パーセントありえない。だが、あまりに長時間に渡る連続絶頂で、現実味が消え失せていた。

「んっ……んんっ……」

ジョボジョボと垂れた黄色い液体が、白い肌について目立っていた。すらりと伸びた長い脚が、黄色の飛沫で光る。長い絶頂の終わりを告げるように、放尿が停止した。

「ん……ふぁ……えへへ……あはは……」

ねるが幸せそうに微笑を浮かべる。

その後も延々と魔犬の群れはねるを襲い続けた。











いつの間にか、ここへ連れて来られて何日も経過していた。

ねるはしゃがみ込んで壁によりかかり、ぼんやりと視線を中空に向ける。頭の中で魔犬のうなり声が木霊していて眠れない。

(まだ身体が疼いちゃう。胸もオマンコも……痕が残っちゃって……)

自分の身体を見る。もう魔犬はまとわりついてない。だが、子犬の舌がねるの乳首に吸いつく様が、目に浮かんでしまう。

(あんなに長いオチンポ……見たことない。何度も何度も……。気持ち良くて、子宮がキュンキュンしちゃってた……)

魔犬の雄根は非常に長く、ねるの雌穴以上のサイズだった。それがフルパワーで突き込まれ、荒い呼吸が耳にかかればもう、ねるは悶えるしかない。

「……」

思い返すとまた発情してしまう。大量に体液の媚薬を取り込んだからだろうか。

(……私、いやらしい言葉を平気で言えるようになってる……)

ますます頬が赤くなる。いわゆる卑語に一切の抵抗がなくなっていた。それも無意識だった。挨拶をするみたいに言葉がつるつると出る。自分がどんどん淫乱化するようで、情けなかった。

(……媚薬のせいよっ。私が言いたかったわけじゃない……だけど……)

自分への嫌悪感が募ってしまう。心が掻き乱されてしまい、思考が追いつかない。

突然、ドアが開く。

悠々と現れたのは、例の片耳豚だった。もう二度と視界に入れたくない。フゴフゴと鳴る豚鼻に、妙にイラついてしまう。

「よう。ねる」

ねるが顔を背ける。楽しそうに話しかけられるだけで深いだった。わけ知り顔でジロジロと全身を見られると、悪寒が止まらなくなる。

「くくく……。だいぶエロくなったな。雄がほしくてしょうがないだろ?」

「……」

ねるは無視に徹した。できるものなら、魔法でズタズタに引き裂いてやりたいところだった。しかし、魔犬の輪姦が凄まじかったせいで、体力も魔力もまだ回復していない。

片耳豚はそれを知っていて、わざと疲弊しきったねるをちゃかしていた。

「処女だった頃とはずいぶん変わったな。くく……ぶひひ……」

「……」

「どうなんだ?チンポ大好きドヘンタイ雌豚めが」

ねるはあくまでも顔を逸らして、片耳豚を視界から除外する。魔物特有の雄臭を間近に嗅ぎ、ねるは身体の奥がひくついていた。こういう身体になったのもこいつのせいだと思うと、いくら刻んでも刻み足りない。

「げへへ。まだ抵抗するとは。あんなに魔犬でよがってた分際でね〜」

ねるの胸にズンと重いものがのしかかる。

自分の痴態は、すべて魔法で記録されていると聞かされた。つまり、常に動画が残っており、当然、片耳豚は視聴済みに違いない。

「犬チンポはどうだった?豚チンポが恋しくなったか?」

「くっ!このぉっ……」

醜い片耳豚にいやらしい言葉を吐かれると、悔しくてならない。どれだけ辱めれば気が済むのか。否、永遠に終わりはない。ねるが"魔王"を倒すまで、いくらでもこの手の魔物が現れるだろう。

「あっ!んんんん!」

不意に突き飛ばされたねるが壁にぶつかり、倒れ込む。

「お前の大好きなものをよんでやったぞ」

片耳豚がちらりと天井を見上げる。

「キシャアアアアッ!!」

複数の触手が襲いかかってきた。

「うぅぅ、んっ!!くぅぅぅっ!!」

身体中に触手が巻き付いていた。わずか一瞬の出来事だった。ミチミチと水音を立てながら、動き回っている。いきなりぬぷぬぷと二穴に入り込むと、細く揺れだした。

「ぬはぁぁっ……あ、あぁぁ……胸までっ……んんんんん、はう、ぬぁぁっ……」

ようやく魔犬から解放されて安堵したもの、つかの間だった。

瞬く間に敏感なところをすべて犯されてしまった。ふらふらと身体が揺れる。巻き付いた触手はねるを宙づりにしていた。

「いいものを持たせてやろう」

ねるが目の前を見る。無理矢理ジョッキを掴まされていた。

「うっ……」

ねるが顔をしかめる。むわりと雄臭が立ち上ってくる。

ジョッキにたっぷりと注がれていたのは、精液だった。これまでねるが味わってきたものとは、段違いの刺激臭である。

(鼻が曲がりそうなのにっ、あれ?だんだん……胸が……ドキドキしてきた……?)

ねるが無意識に首を傾げる。じわじわと身体が熱くなっていた。

目が潤み、頬が上気する。精液を目の前にしただけで、乳首をそっと愛撫されたようだ。

「がはは!ザーメンジョッキに興味津々とはね。くく。イヒヒヒ……」

「ザーメン……ジョッキ?」

ねるがジョッキに視線を落とす。なみなみと注がれた精液に、目が釘付けだった。

ジョッキの表面がゆらゆらと震える。これを飲み込んだら、口や喉にいつまでも絡みつくだろう。想像するだけで、陰部がビリリと痺れてしまう。

「淫乱ドスケベ大好きな精液だ。ほら。ほしいだろう?」

「んんっ……くっ、こ、こんなものっ……」

口では抵抗しても、身体は素直だった。内腿が勝手に震えてしまう。陰部がもう雌汁を垂らし始めていた。

「あはは。やっぱりほしくてしょうがないんだな。くくく……素直にそう言えって〜」

「だ、誰がそんなっ……んんっ……ふは、ウゥゥッ……くは、あ、ああふぅぅぅ……」

突き動かされ、身体中が熱くなり、汗が噴き出してくる。こんなにも感じやすかったのかと、情けなくなるほど愉悦が込み上げていた。

「そ〜れ見たことか。くくく……。エロイ声あげやがって。飲みたいんだろ?」

片耳豚がジョッキを掴み、左右に揺する。泡立ったコップの表面が波打って、今にも零れそうになっていた。

ぷるぷると揺れる表面を見つめるねるの目はトロンとしており、完全にでき上がっていた。

「あっ、ああっ……」

ねるがものほしげに、口をパクパクと開閉させる。潤んだ目は、ひたすら零れそうな精液を追い求めていた。

「ガハハ!おいおい。口がポカンと開いてるじゃないか。よっぽどチンポミルクがほしいんだなぁ」

片耳豚に指摘されても、欲求は止まらない。この芳醇な精液を飲んだら、どうなってしまうのだろう。間近で見て、匂いを浴びるだけで身体が疼いてしまう。陰部をソフトに愛撫されるに等しい。

「ハァァ……ハァァ……んんっ、うぅ……」

「ほしいなら飲めって。こんだけあるんだからさ〜」

ねるがジョッキに顔を近づける。やはり香りに誘惑されてしまう。舌先が勝手に伸びるが、すぐに気付いて引っ込めた。

(だめだめ!こんなにおいしそうな精液を飲んだら、おかしくなっちゃうっ……今でさえ、オマンコがじんじんしちゃってるのにっ……)

なんとか堪えて、理性を保とうとする。非常に危険で飲んではいけないものだと、しこく自分に言い聞かせながら。

だが、禁止すると、おいしそうなクリーム色が余計に気になってしまう。さらに精液への欲求が募っていた。

「ゲヘヘ……。この期に及んでまったく。まだ最強魔法戦士のつもりとはね」

片耳豚がぐいとジョッキを突き出す。ねるの唇にふれそうなほど近い。舌を伸ばせば、すぐに届く距離だった。

欲求に駆られたが、ぎゅっと口を固く結んで拒絶する。

「いらないっ……そんなものっ……」

「そういうのもういいって。どうせ飲むんだろう?」

片耳豚がまたジョッキを押してくる。いっそひっくり返してしまいたいが、浴びれば身体が発情するだろう。何よりも、『もったいない』と、ねるの本能が告げている。

「ならば……」

片耳豚が触手を叩く。

「あ、あ、あふっ……ふひっ……」

触手がより活発に動き出した。細かくブルブルと震え、ねるの二穴を律動してくる。

「乱暴にするんじゃっ……くは、あ、ああふっ……ぬおおお……」

ただ暴れるだけではなかった。微細に延々と振動している。すべての触手が小刻みに震えて、ねるの肌にぴったりと密着していた。

「ふは!あ、あぁっ、ブルブル……すごいぃぃぃっ!」

ねるが身をくねらせる。まるで全身にバイブが巻き付いているかのようだ。乳首や淫核を責める触手もまた、微細に振動し続けている。身体中が心地よくなり、ねるはうっとりと目を細めた。

「くふっ!す、すごいぃぃ……ふは、ああんっ……歯が鳴っちゃうぅ……んぐぐぐ。ヌハァァァァ……」

頭が混乱していく。快感が乱発してしまい、抑えようがない。敏感なところが燃えるようだった。劣情がとめどなく溢れてくる。

「ちょっとだけでも飲めよ。ほら。ほしいんだろ?」

「い、いい……いや……そ、それだけはっ……」

ねるが首を横に振る。本音を言えば、飲精したくてしょうがなかったが、今の興奮した自分が飲んだらどうなるか。この凄まじい量の精液が恐ろしかった。

「強情だな。よし、手伝ってやる」

「んんんん!」

抵抗したが、あっけなく口を開かされてしまった。

そこへジョッキが傾けられる。口内に白濁が流れ込んできた。

「んんん!!んんっ……んぐ、んぐぐっ……」

「くく……。飲ませてやったぞ」

ねるが目を丸くする。恐怖で硬直していた。

冷たいはずの精液が、放出したばかりのように、熱を持っていた。それがねるの喉奥や舌先に絡みついている。まだ口内に粘液が残っていた。

(どうしてこんなにあっついの……鳥肌が立っちゃう。ゾクゾクが……止まらないっ)

戸惑いながらも、内腿がブルリと震えてしまう。鼻孔に雄臭が満ちていく。不快なはずが、生温かくて心地良い。

「んっ……んんん、ゴクリ……ゴクゴク」

ねるのほっそりした喉が震える。嚥下の音が辺りに響く。残った白濁を、静かに飲み干していた。

「はぁぁ。はぁぁぁ……。んんっ、の、飲んだわ……」

「くくく。目が据わってんぞ。よっぽどうまかったんだなぁ」

舌の上で踊る苦みと、どろっとしたものが通過する感触がいつまでも残っている。飲み込んだ精液が、熱源に変わったように思えた。

「おいしくなんか……んっ!?」

否定するはずが、ねるはビクリと肩を震わせる。

全身の細胞が歓喜に打ち震えていた。胃の中から込み上げる愉悦が、脳内にまで広がっている。

「ゼェェ……ゼェェ……。ひぃぃぃ、ふは!お腹がっ……んんん!あっつぃぃ……」

腹の中にまで性感帯になったようだ。そこがドクドクと脈動している。あまりにも狂おしい愉悦に、ねるが身をくねらせる。

「はぁぁ、はぁぁ、あ!あ!あふっ……んんんん」

「くくく。悶えやがって。触手は動いてないぞ?」

「うぐ。ふうぅぅぅ……ふは、あ、ああぁぁ……」

男根がほしくてしょうがない。腰が勝手に揺れてしまう。濡れた淫核がビクビクと跳ねる。もどかしくて上半身がくねってしまった。

「ザーメンジョッキ気に入ったか?」

「ぜぇぇ。ぜぇぇ……私にっ……何をしたのっ……い、今の精液っ……ふは!あっ……んおおお!」

どっぷりと深みにはまるようだった。手指に力が入らない。

勃起した乳首と淫核に電流が走っていた。強い快感に、息が上がってしまう。

「あはは。面白いぐらい効いたな。くく……ぶひひひ!そのジョッキはな。魔王様のザーメンが無限に湧いてくる魔法のジョッキなんだよ!わずかでも飲めばイキ狂うと言われてる。お前はそれをうまそうに飲んだんだよ!くく……ぶひひ、わーっはは!」

「……」

ねるが息を呑む。もうすでに大量に飲んでいた。腹の奥でグラグラと煮えたぎっている。それが脳内にも起きており、ねるは放心していた。

ぬっちゅぅっっ!!ずりりり!全身の触手がしなる。

「ぬっはぁぁぁぁ!」

ねるがひときわ大きな声をあげる。子宮口にある触手もまた、波打つように震えだしていた。皮一枚を隔てたアヌスの触手と、ゴツゴツとぶつかっている。そこで深い愉悦が湧いていた。

「ちょっ……こ、これだめぇぇ!や、やめてぇぇ……フハァァ、あ、ああぁぁ……」

まさか"魔王"の精液とは思いもしなかった。

ゲートを使い、自在に魔物を召喚できる恐ろしい闇の王者。妖力の強大さは宇宙を超えているとさえ、言われた。

「はぁぁぁ。はぁぁぁ……う、うぅ……んんっ……」

ねるは涙を浮かべながら、茫然とするしかなかった。快感が止まらない。魔王の精液は、強烈なぐらいねるを発情させていた。

「まだ残ってるぞ」

ジョッキがまた、迫ってくる。味わってしまった今となっては、究極に美味なジュースに見えてしまった。

「はぁぁぁ。はぁぁぁ……んん、んっ……ンン……」

吸い寄せられるように、半開きの口を近づける。舌先が精液にふれると、甘やかな微風を浴びるようだった。もう我慢できないとばかりに、口に流し込む。

「んん、んん……ゴク……ゴク……ゴクリ……」

ねるは白濁を味わうように、じっくりと飲み込んだ。ドロリとした白濁が喉を通過し、頬が熱くなってくる。口内にねっとりとした粘液が残っており、それすらも丁寧に飲み下す。細い喉がぐむりとしなった。

「ふぅぅぅぅ……チュプ、ゴクリ……飲んだわぁ」

ねるは舌なめずりをすると、色っぽく溜息をついた。

途端に目の前が白む。腹の奥で火花が散ったようだった。だらしなく、口が半開きになってしまう。

「ふは、あぁ……ンン、これはぁぁ……ヒン、ふは!あ、あぁ……」

快感が一気に全身へ広がるようだった。髪の毛が逆立つほどの強い劣情に、気が遠くなってしまう。

「ひゃっはぁぁぁぁぁぁぁぁ」

絶頂の声が轟く。半狂乱になったねるは、舌をだらりと見せながら悦を覚えていた。身体の深部までが、欲望でみなぎっている。

「あひゃひゃぁぁぁ、しゅ、しゅごいぃぃ……ふほおおお、魔王ザーメンおいしいぃ……ぬひゃぁぁっ……」

ねるが赤い舌を見せながら、尻を左右に揺らす。アクメに歓喜にしていた。瞳が震えて、視点が合っていない。よりいっそう、狂ってしまっていた。

身体に巻き付く触手達もまた、獲物の絶頂を感じとり、力強く、うねりだす。

「ひゃうぅぅ!!ふは、はぁぁ。はぁぁ……触手チンポいいっ、ああん、イクの止まらないぃぃ、ふは、ああぁ……んんんんっ!」

二穴をズブズブと挿抜する触手がまた、加速する。クパリと開ききった雌穴から、大量の愛液が糸を引いていた。

「うおおっ……はぁぁぁ……はぁぁぁ……んんんん、あ、あぁぁ……わらしのからだっ……全部でイッちゃってりゅっ、ふはぁぁぁ……ぬはああ……しゅごいぃぃぃ……」

もう正気ではいられなかった。ねるは絶頂で頭が真っ白になっていた。最高に快感が噴き出たまま、時間が止まったようだ。

魔王の白濁は、これまでとは比較にならないほど、ねるを発情させ続けた。

「オォォ……んんっ……魔王しゃまのぉぉ……子種汁うぅぅっ……はぁぁ、はぁぁ……しゅごいぃぃぃ……もうだめぇぇ……」

ねるは魔王の精液の虜になっていた。首を傾けて見せる様は、発情しきった雌そのものである。宙に浮かぶような快感に心を奪われ、雄を求めてやまない。

「おかわりだ」

「ハァ……ハァ……ハァ……。ごちそおぅぅぅ……」

半目でぼんやりしていたねるが、溜息を漏らす。

いつの間にか、ジョッキが精液でいっぱいになっていた、ら

「はぁぁぁぁ。あ、あぁぁ……はいぃぃぃ、おいしいおいしい特製オチンポミルクゥゥ……いただきましゅぅぅぅ……」

にんまりと破顔し、嬉しそうに精液をゴクゴクと飲み下す。楽しそうに頭を左右に振っている。身体中がポッポッと燃えるように熱くなり、高揚していた。

「はうぅぅっ……んん!イグゥゥゥ……イッちゃうぅぅぅ……あ、ああぁぁぁ!!」

触手がさらに勢いづく。ねるの二穴は蜜汁が垂れており、触手の熱感がダイレクトに伝わっていた。

「あひゃひゃひゃ!ひいいいぃっ、い、イッちゃったぁぁ。しょんなぁぁぁ……ふは、あ、ああんっ……すごいよぉぉ……ふふ。うふふ」

声をあげながら、触手に揺さぶられ、ねるは重力がわからなくなっていた。喘ぎ声をあげるだけで、身が蕩けてしまう。ガクガクと顎が勝手に揺れだしていた。

「ま、一服しろよ」

「はぁぁ。はぁぁ……おいひぃぃぃ……オチンポミルクゥゥゥ……」

肩で呼吸しながら、手に持ったジョッキを見る。愛しいものでも見る目になっていた。

「あはは……。ものほしそうにしやがって。ジョッキがまたザーメンでいっぱいだぞ」

「はいぃぃ……いっつもいっぱいでうれしぃぃ……はあ、ザーメンジョッキいただきましゅぅぅ……」

ねるは嬉しそうに口を寄せた。ジョッキを勢いよく傾ける。ドロリとした白濁が舌の上に垂れてきた。

「ん、んっ……ゴクゴク」

喉に落ちてくる感触さえも愛しい。極上のスープを飲むようだった。腰を震わせ、色っぽく吐息をつく。

「はぁぁ……おいひぃぃぃ。んんっ……あ、ああぁんっ……」

腰におさまったそのとき、ポカンと口が開く。身体の奥で愉悦がぐつぐつと煮えていた。

「んんんんん、またくすぐったいぃぃぃ……んっ……ノドマンコもオマンコもケツマンコもぉぉ……」

ねるが腹を突き出しながら、込み上げる劣情を貪る。濡れきった淫穴から、ブシュリと雌汁があふれていた。

真っ赤な舌がだらりと垂れる。別人のように呆けた顔で愉悦を享受していた。ザーメンジョッキと触手に存分に責められ、またも絶頂しやすくなっている。

「あ、あ、あぁぁぁ、イクゥゥゥ……しゅごいよぉぉ……ぬほおおおおおお!!」

その瞬間、全身の細胞が歓喜に打ち震えた。

「はぁぁ。はぁぁ……うぅぅ、しゅっごいアクメきたぁぁぁ、あわぁぁぁぁ……」

ねるが白目を見せながら、アグアグと口を開閉させる。不自然に笑っていた。あまりに深い絶頂に呆然とする。

「くっくくく。ただの淫乱になりやがって」

片耳豚にジョッキをコツコツと叩かれ、ようやくねるが顔を上げる。飲み干してカラになったはずのジョッキが、もう満たされていた。

「きゃっほぉぉっ……ザーメン満タンだぁぁ、あふふふ……あははっ……」

虚ろな目でねるがザーメンを飲み干す。一滴残らず、喉を鳴らしながら。

「んん、んん、ゴクゴク……うふふ……ごちしょうさまぁぁぁ……」

触手がゆらぎ、粘液を零しながら、ねるの身体に巻き付く。そしてまた勃起した乳首や濡れた二穴を責め続ける。

「おほほほほぉぉぉぉ!はぁぁ、はぁぁ……ああ、ザーメン……のむにょぉぉぉ……」

別人のようにだらけきったねるが、貪るように白濁を口にする。ザーメンを飲み、触手に巻き付かれ……また絶頂し、さらにたっぷり注がれたザーメンジョッキを握る。

「うぅ……んん、ンヴァァァァ……んが……お腹……パンパン……」

ねるがぼんやりしたまま、ジョッキを握る。すでに何十回と、白濁を飲み続けていた。何度も飲んでは絶頂し、触手にも責められ、延々と繰り返していた。

「はーあ、笑ったわ。くくく……。しっかしザーメンまみれだなぁ。あはははは……」

一部始終を見ていた片耳豚は、笑いが止まらなくなっていた。

ねるは驚くほど、快感にのめり込んでいた。

「あ……はぁ、う、ううぅ……」

「くくく……。マンコぐちゃぐちゃだなぁ。全部お前のマン汁だぞ?ぶひひ……」

触手は射精せず、二穴で延々と揺れ続けていた。疲れを知らず、ねるという面白い玩具に夢中だった。

「いただきましゅうぅぅぅ……んぐ、ゴクゴク……」

ねるはフラフラになりながら、条件反射のようにザーメンを口に流し込んだ。ゆっくりと、いやらしく喉を揺らしながら、腹に収めていく。

「んっ……はぁぁ、はぁぁ……ごちそう……さまれしたぁぁ……」

うっすらと笑みを見せると、ぴくりと身体が跳ねる。やがて、ビクビクと全身が揺れだした。悩ましそうに息が荒くなってゆく。

「イクゥゥ……イクゥゥ……イクゥゥ……ふおおおおぉぉぉぉぉ」

ねるがまた、絶頂の声を響かせる。

口元にザーメンの泡をつけ、多幸感に満ちていた。身体中がアクメで脱力している。触手が動いていなくても、絶頂していた。

「あはは!ザーメン飲んだだけでイクとは。くく……あはは!こいつはおかしいわ」

片耳豚が腹を抱えて笑いだす。

だがねるは一切反応せず、うっすらと笑みを浮かべたままだった。絶頂の心地よさに飲まれ、恍惚としている。

「もう最強魔法戦士じゃないのは、あきらかだなぁ。くく。あはは!」

片耳豚の笑い声が響く。

ねるは微笑を浮かべながら、延々と続く絶頂を、いつまでも味わっていた。











暗闇のなかで、蠢く影があった。

方々に赤いものが巻き付いており、うねっている。白い膨らみが光って見えた。

「うぐぐ……んん……うぅぅ……」

苦しそうなうめき声が響く。

「んっ……あ、あぁぁぁ……」

ねるが目を開ける。大きく膨らんだ腹が、呼吸をするたびに収縮していた。呆然としており、自分がどうなっているのか、よくわかっていない。

「んんっ……私……」

まるで長い夢の続きを見ているようだ。丸く膨らんだ腹が視界に入る。

「あはは……はは……お腹ポンポン……」

風船のように膨らんだ腹は、ヘソが伸びきっており、今にもはち切れそうだった。

ねるがクスクスと笑っている。まさか、自分が妊婦になるとは、悪夢でしかなかった。

「ふふふ。うふふ……んっ……ふはぁぁぁぁぁぁ」

膨らんだ腹が呪わしい。これまで様々な魔物がねるに種付けをしていた。触手に片耳豚、魔犬。魔物すべてが、ねるに当たり前のように中出しを繰り返したのだ。

魔物の子など孕みたくない。絶対に妊娠したくない。出産など、尚のこと……そう思っていた。しかし、今やねるは臨月といっていいほど、腹が膨張していた。

「んっ……ふはっ」

ねるが一瞬眉をひそめる。触手がビクビクと震えだしたのだ。子宮口の辺りに頭を擦りつけてくる。細かい振動が気持ち良くて、熱い吐息が漏れたのだ。

「んっ……ふは、ああっ……ひぐぐ、ぶっといのがぁ……んん、うぅぅぅ……」

ねるが悶える。わずかな刺激でも、喘ぎ声をあげ、腰が浮いてしまった。延々と触手に巻き付かれ、突き上げられ、粘液をなすりつけられている。もはや身体の一部と言っていいほど、触手の生態を理解していた。

「はっはづ……ふおおおおおっ……んんっ、ああ、しゅごいっ……触手チンポが押してくるぅぅぅ……ぬは、あ、ああんっ……ひゃぁぁぁ……」

ねるが触手に律動され、快感が急上昇していた。二穴を触手に穿られ、身体中を揉まれ、昇りつめる。

「あ、あ、あひぃぃぃ……ああ、そうよぉぉ。わらひもうっ……何度も何度も孕んでるぅぅぅぅ……ふは。あぁぁぁ……」

頭の中が真っ白になり、ロレツが回らなくなる。

「ザーメンジョッキぃぃぃ……ふは、ああんっ……魔王ザーメン……ぐふぅぅぅっ……」

魔王のザーメンを腹がパンパンになるほど、飲んでしまった。何度もおかわりして、ゴクゴクと水のように腹に収め続けた。

身体中の性感帯が絶頂し、白目を見せるほどねるは夢中になったのだ。

「ゼェェェ、ゼェェェ……。あぁ……それからずっとぉぉ……イッてるみたいぃぃぃ……ぬは、あぁぁぁぁぁぁ」

ぬっちゅぅぅぅう、ズズズズッ、触手が勢いよく叩き込んでくる。

子宮口へと触手の頭がぶつかるたびに、ねるの本能がさらに蕩けた。

「ハッ!ハッ、ぬはぁぁぁぁぁ、はぁぁぁ、んんんん、触手しゅごいぃぃ……ああ、ポンポンの子宮にくりゅう……ふああああっ……」

濡れた舌を見せ、喉を鳴らしながら、矯声をあげる。悶えるあまり、太鼓のような腹がぶるぶると震えていた。歓喜が止まらない。涎を垂らし、寄り目になりながら、身をくねらせ続けている。

「ふはぁぁぁ……あああ、アウゥ……しゅごいにょぉ……ぜぇぇ……ぜぇぇ……イッたぁぁぁ……ふは、あぁぁぁぁぁ」

妊婦のようなボテ腹がぶるりと震える。ねるはまた訪れた快楽に魅了されていた。幸せすぎて、口を尖らせた奇妙な顔になっている。

「うぅぅっ……お尻もぎゅんぎゅんらよぉっ……ああんっ……触手かぁぁ……んんんん、ふは、ぬおぉぉぉ……」

頭や肩を揺らしながら、込み上げてくる喜悦を貪っていた。制御できない快感で遊んでいる。

ミチミチと触手達が音を鳴らし、絡みついてくる。

「んんんっ!?フヒャァァッ!!」

ねるが奇声をあげる。瞳が細く震えていた。腹の奥で異変が起きていた。てっきり、触手が律動していると思ったが、中で押し合っているようだ。ガツガツと頭をぶつけあい、擦り合っている。

「ら、らめぇぇっ……ひぃぃぃ、赤ん坊とっ……んんんん、触手のパパがぁぁ……ふは、あぁぁ……ケンカしてるぅぅっ……」

産まれようとするものが、膣穴の触手とぶつかり、ぐっと押し戻されている。急に膣道がぼっこりと膨らんできた。腹が飛び出るような衝撃が走る。

「うっほぉぉ……ああ、も、戻るなんてぇぇ……だめぇっ、ふああっ、ああっ……触手ぅぅっ……パパかもしれないのにいぃっ……」

ねるの言う通り、触手にも中出しされていた。腹の子の父親であったとしても、おかしくない。

「あひいぃっぃっ……くは、ウググッ……ガンバッてぇぇ……ンググ……うぅぅ……」

ねるが下っ腹に力を込める。顔を真っ赤にしながら、いきんでいた。触手という大人の魔物と、産まれようとする子供の戦いを終わらせたかった。

「うぅぅ〜〜〜〜っ、ふはぁぁっ!」

ねるがガクリとうなだれる。力んだその瞬間、触手も子供も激しく衝突していた。それがビリビリと電流のように伝わってきたのだ。目を白黒させていたねるが首を反らす。

「あ、あ、ああふっ……しゅごいぃぃっ、コレイッちゃうぅぅ……ああいくぅぅ……ヒャハァァァァァァァ……」

ねるが腰を突き出し、喉を見せながら絶叫する。

そのとき、下腹部で熱いものがぶわりと膨らんだ。ねるが苦しそうに舌を見せる。突然、陰部からドバッと液体が流れ出したのだ。

「ぬはぁぁ、あ、ああぐぐっ……んん!!ふは、あ、ああ、ああっ……オマンコ爆発しちゃうぅぅぅ……」

心臓が激しく鼓動する。腰から下にかけてが、麻痺したようだった。熱いものがじわじわと降りてくる。ずっしりと重く、異様に熱い。

「んばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

雌穴が急にパクリと開いたかと思うと、何かが頭を覗かせていた。

「あひゃあぁっ……んんんっ!!出ちゃったぁっ……はうぅ……ふは、ははっ……」

ねるは絶頂していた。肩を縮め、白目をちらつかせている。真っ逆さまに落ちるような絶頂感に、呆然としていた。

ぐちゅぐちゅっと水音が響く。陰唇から何かがごろりと転がり出たのだ。

「ぐはぁぁぁ……あ、あ、あ……んおおおおおお〜〜っ!」

またも絶頂感が押し寄せていた。子宮が収縮し、全身に鋭い快感が走る。とめどなく溢れる喜悦に、ねるはひたすら喘ぎ続けた。

「あ、あぁ……赤ちゃん……産まれた?」

未だに絶頂感を味わっているねるが、股間を見る。おそらく、小さな触手の赤ん坊か何かだろう。だが、予想を裏切り、丸く白いものが転がっている。

「えぇ……コレ……たまご?わ、わらしっ……卵産んじゃったのぉぉ……?」

魔物に犯され、妊娠したと思い込んでいた。だが、実際に産まれたのは、真っ白い球体だったのだ。ねるが頬を引きつらせたまま、硬直する。

「あ、あは……はは……私……卵産んだんだ。はは……あはは……はは……」

ねるがひくひくと笑った。ありえないことが起きていた。あまりにも信じがたく、心の許容量を超えている。笑顔が奇妙に強張っていた。

「うふ……白い卵……あは。はは……そうだった……私……妖魔だもんね……ヒトじゃないんだもん……当たり前じゃん……ハハ……」

ねるの目に涙が浮かぶ。笑いすぎておかしくなっていた。

「フフ……フフフ……」

やがて声が小さくなり、ねるは動かなくなった。

産卵と同時に絶頂し、いきみ過ぎて意識が途切れたのだろう。白い卵を産んだショックで、緩やかに失神したとも言えた。

だが、触手たちは変わらず蠢き、ねるを刺激し続ける。細い身体がビクビクと震えだした。

卵を産んでクパリと開いた淫穴に、触手が入り込む。身体中に巻き付いた触手もまた、柔肌を揉み込み、粘液をなすりつける。

ねるがわずかに胸を突き出す。膣奥深くに入り込んだ触手が揺れていた。

「……んあぁ」

一瞬半目を開ける。大きな腹の一部がボコリと膨らんでいた。まるで腹に瘤ができたようだ。表面に浮かんだ膨らみが移動する。

「……ひゃん!」

ねるが目を見開く。下腹部の律動に思わず、声が漏れた。雌穴に入り込んだ触手が、直線的に行き来してくる。ぬっちゅ、ずちゅちゅぅぅぅ、という強く突き込む音が響いた。ねるがゆるゆると首を横に振る。

「はぁぁ、はぁぁ……ンン!ま、またぁぁぁ……オマンコで暴れてるぅ……ふは、あぁぁ……んんんんん!ふおおっ……コレさっきとっ……んんんん、似てるぅぅぅ。ハッ……ハッ……ハッ……ああんっ……お腹の中……ぱつぱつらよっ……ひぃぃぃぃ!」

切羽詰まったねるが叫ぶ。またも、淫穴の触手が、産まれようとするものとモメていた。子宮が抉れそうなほど、強い力でぶつかりあっている。

「ぬはぁぁぁっ……あ!あ!あぁっ……もうやめてぇぇぇ……すっごいのぉぉっ……ふは、あぁぁんっ……イッちゃうぅぅ……」

触手と新たな生命は決して手を緩めなかった。全力でぶつかり合い、せめぎ合っている。それらが雌穴や子宮を摩擦し、あっけないほどねるを絶頂へと導いてしまった。体内のモメ事は、ねるにとてつもない快感を与えていた。

「ああ、イグゥゥゥ……もうらめぇぇっ!!オマンコぶっこわれるぅぅっ……焦げちゃいそうなのぉぉ……ひあぁぁぁぁ!!」

喉が千切れそうなほどの絶叫が響く。子宮口や達したばかりの淫核を、容赦なく責められ続けていた。

「んんんん、しゅごいぃぃ……ふあ、あぁぁ……ゼッチョウ……ふぅぅぅ、んっ……うぅぅ、キモチ……イイ……」

意識が遠のいていく。その間も、下半身ではせめぎ合いが続いており、陰唇が膨らみ切っては縮んでいた。何度か収縮した後、震えていた膣穴が開き始める。ブチャリといやな音が鳴った。

「……」

新たな卵が産まれていた。真っ白く、粘液で濡れている。ついさっきと同じものだった。白く楕円形で鶏卵を思わせる。細く揺れていたが、ぴたりと止まった。

「……」

ねるがぐったりしている。ふたつ目の卵を産んだときも、絶頂感があった。それが未だに続いている。ポカリと開いた雌穴は、卵の大きさで広がったままだった。

「……」

疲れたように静かに目を閉じる。産卵のショックで気絶してしまった。魔物の子供を孕み、大きな腹になり、産卵絶頂を二度も味わってしまった。心身が疲弊して当然だろう。

「うぐっ……うぅぅ」

ねるが眉をひそめる。愛らしい顔は苦しそうに赤らんでいた。カエルのように丸い腹がまた収縮する。一部がでっぱっては、へこんでいた。内部から押し上げられている。

「ん?ふは、あぁ……はうぅぅ!ま、またぁぁ……!?」

ねるがギョッとした目で硬直する。腹の卵がまた、暴れていた。母親であるねるの膣穴をぐいぐいと押し広げてくる。

「あ、あ、ああっ……きちゃうぅっ……産まれてきちゃぅぅ……」

ねるがわなわなと唇を震わせる。産卵絶頂がまた、訪れようとしていた。背骨が粉々になるほどの重圧がかかる。何度目かであっても衝撃的だった。

「ぜぇぇ、ぜぇぇぇぇ……あははっ。オマンコこわれりゅっ……くはあ、はは……ははは……ゼッチョウ……きちゃったぁぁ」

ねるが頬をひきつらせながら、笑みを零す。不自然な角度に首が折れていた。

それなのに絶頂直後の敏感な肉豆を、白いものがグリグリと擦りつけてくる。

「あ、あ、あひぃぃぃ……イッてるんだってぇぇぇ。だめぇぇぇっ……!ああん……ホントもう絶頂いらないってばぁぁぁ……ふは、あああっ……出ちゃうぅぅぅっ!」

背中から押されたように、腹が前に出てしまった。身体の奥から込み上げる熱感が、ねるの心身を焼き尽くそうとしていた。

「ハッハッハッ……んん!ふは、あ、あぁぁぁぁぁぁ」

全身が火照り、これ以上ないほどに呼吸が速くなる。ねるがジタバタともがいたそのとき、陰部がありえないほど広がっていた。

「あ、あぁ……また、卵っ……はぁぁ、んん、うぅぅぅ……う、産まれたぁぁぁ……産卵アクメらよぉぉぉ……」

またも白い卵が転がっていた。産まれたばかりで、粘液にまみれている。

ねるは絶頂のあまり、目が回っていた。前後不覚と言っていい。

「あはは……はは……ははは……。卵……また……ポコポコ産まれたぁぁ……ふふ……あはは……」

ねるがまた、ひきつった笑みを零す。何度目かの産卵絶頂でやや壊れていた。徐々に笑い声が小さくなり、やがて唇が動くだけになっていた。

「うふふ……ふふ……ふふ……」

そして笑い声が途切れ、またねるが失神してしまった。

やがてまた、腹の卵が疼き出し、そしてまたねるが目を覚ます。

また卵が産まれ、失神し……永遠のような時間が過ぎていく。

静寂を破ったのは、何かが割れる音だった。バリバリと軽い音が響き渡る。

「ん、んっ……」

ねるの眉がぴくりと動く。静かに目を開けると、ゆっくり辺りを見た。

「はぁぁぁ……んん、うぅぅぅ……なになにぃぃぃ……」

すっかり眠り込んでいた。まるで長い長い淫夢を見ていたようだ。身体はほんのりと熱く、敏感なところがむず痒い。乳首や陰部がひりひりしていた。膨らんだウェストが卑猥に揺れる。

「んんっ、ふぅぅぅ……ふふふ……うふふふふ……いっぱいイッちゃったぁぁぁ……」

ほっとしたのか、ねるがニヤリと微笑を浮かべ、恍惚としていた。

バリバリと卵がさらに音を立てる。割れ目が広がっていた。

「あぁ……卵割れたぁぁ……私の赤ちゃん……ついに生まれたんだぁぁぁ……」

ロレツの回らないねるが、股間の辺りを覗き込む。

無数の卵が転がっていた。どれもビクビク震えており、ヒビができている。

「ピギィィィ……」

甲高い奇声が響く。殻が破れ、触手の赤ん坊が誕生した。ミミズくらいの大きさで、いくつもが寄り合わさっている。

「ふふ……ふふ……あはは……赤ちゃんだぁぁ。おめでとう……ふふ……あはは……」

ねるがぼやける目で、触手の赤ん坊をみつめる。今現在も、ねるの身体に絡みつく触手に似ていた。

「キシャァ……」

「ウゥゥ……」

触手が小さいながらも、ミチミチと震えている。元気いっぱいだった。

「ハァァ……んんっ?フゥゥゥ……他の卵も……ピキピキ言ってるぅぅ……はぁぁ……こんなにいっぱい……」

ぼやけた視界には、白い卵がいくつか転がっていた。震えては殻を破り、いよいよ産まれようとしている。産まれたばかりの小さな触手が、尺取り虫のように伸び縮みしていた。

「ふふ……そうだぁ……みんな……私が……産んだんだぁ……あはは……はは……」

ねるは涎を零しながら、小さく笑っていた。目が濁っており、正気を失いかけていた。卵の数だけ悶絶し、きりがないほど絶頂した結果だった。

「はは……あはは……ふふ……ふふふ」

不気味な笑みを浮かべるねるが、ふらりと顔を上げる。くんくんと鼻を鳴らすと、辺りを見回した。ぼんやりしていたが、急に破顔する。

「あああ、この匂いぃぃぃっ、オマンコきゅんきゅんしてきたぁぁ……んんん、ふあぁぁぁ……だいだいだい大好きにゃにょぉぉぉっ……」

嬉しそうに辺りを見回し、息を吸い込んでいる。溜息をつきながら、もどかしそうに内腿を擦り合わせていた。まるきり発情した雌の獣だった。

「はぁぁぁ……ぬおおおお、ああいい、すっごくいい……はぁぁっ……はぁぁっ……ハッハッハッ……はへはぁぁぁぁぁぁっ」

ねるが絞り出すように声をあげる。全身の触手もまた、応じるように揺れだしていた。

「はにゃぁぁん……魔王しゃまぁぁぁ……」

ねるがそう叫んだ瞬間、急にくたりとうなだれる。

「あ……変身……解けちゃった」

ねるは生まれたままの姿になっていた。力が尽きてしまった。

最後の魔法が解けてしまったのだ。

「ぜぇ、ぜぇぇぇぇ……あぁぁ……妖力……ちょっとだけ……残して……たのにぃ……」

妖力の温存はねるにとって、起死回生のために必須だった。どれだけ快感に狂い、時分を見失っても、いつか抜け出そうという理性は残っていたのだ。魔法戦士のなけなしのプライドだった。

『……ねるよ』

地獄の底から響くような声だった。姿はなく、ねるの脳内へ直接呼びかけている。

「あ、あぁ……やっぱりぃ……この声はぁ……魔王様……」

ぼんやりしていたねるが、やや生気を取り戻す。

本来、憎んでも足りないほどの相手である。だが、未だに快感が身体を巡っており、本来のねるの力は発揮できない。残った妖力で平常心を保つのが精一杯だった。

『なかなか手こずらせてくれたが……見応えあったぞ』

やはりねるの姿は魔法で記録されていた。魔王はすべてを見てきたのだろう。

「ああ、ザーメェェン……魔王様のぉぉ……ザーメンくらさいぃぃぃっ……」

『くく、我のザーメンがそんなに気に入ったか?』

「はいいっっ……匂いを嗅いだだけでもう、イッちゃいそうれすぅぅ……」

魔王のザーメンジョッキを何杯も飲んだねるは、全身の細胞がほしがるように、感化されていた。

その魔王が今、ねるに言葉をかけている。嬉しくて狂いそうだった。

『そうか。では我に従属せよ』

頭の中で声がリフレインする。

『従属せよ。従属せよ。従属せよ。従属せよ。従属せよ。従属せよ』

つまり、ねるに魔王の下僕となれという意味だった。

魔王の匂いと声が入り乱れるなか、ねるはほとんど思考を奪われていた。わずかな刺激も快感に繋がってしまうほど、蕩けきっていた。

(うう。頭がフラフラ……でも、気合を入れれば……まだ少しは私でいられるっ……)

魔法戦士という最後のプライドと、絶頂を浴び続けた雌とが対峙していた。

今にも消えそうな意志が残っている。

どちらを選ぶか、考え抜いた結果……ねるは深く息をついた。

答えはひとつ。

「魔王様に……従います……」

この欲望に素直な身体は魔王のおかげだった。感謝しかない。僅かに残る理性も、それが正しい決断だと言っていた。

『やはりお前は強い。賢い。そして気高い。これからは我の下僕として生きるのだ』

「はい……仰せのままに……」

ねるが微笑を浮かべる。その瞳は潤み、魔王をリスペクトしきっていた。

『ねる。我に従属するのなら、ふさわしい場を作ろう……生まれ変わったことを世の中に知らしめるために』

魔王の声が遠ざかっていく。

ねるは微笑を浮かべながら、ほのかに残る匂いに夢中になっていた。



















帰ってきた暴動 ( 2024/12/11(水) 00:03 )