第34話
あまりの美味しさについ夢中になって、すぐに料理を食べきってしまった俺とゆりあは優雅に食後の紅茶を楽しんでいた。
「いやぁ、美味しかったねチーズインハンバーグ!」
ゆりあが笑いながら言ってくる。
「だな、今年インターハイ1位になったらまた連れてくる約束忘れんなよ?」
「えー?ゆりあ、ばかだから何の事だか分かんなーい」
てへぺろーと言わんばかりの顔でゆりあが言った。
こういう時にだけばかを使ってくるのは卑怯だと思う。
「はいはい、ゆりあのおばかっぷりは存じてますよーっと」
「えへへ、冗談だよ。ゆりあ、頭いいから忘れてなんかないって」
「んじゃ、頭いいついでに次の考査も勝負するか?」
「うっ…、翔ちゃんいじわるだ!!あっ、そろそろいい時間だし出よっか」
ゆりあにそう言われ時間を確認してみると、すでに時刻は23時を迎えようとしていた。
まさかそんなに時間がたっているとは思わなかった。
時間がたつのは意外と早いもんだ。
お支払いはゆりあの魔法のチケットで済ませ俺たちは帰路についた。
しばらく無言の続いていた帰路だが、ゆりあがふと話しかけてきた。
「翔ちゃん、ほんとは明日放課後聞こうと思ってた事なんだけど…」
「あぁ、なんか予定はいったんだっけ」
「そう、ちょっとね。だから今聞いてもいい?」
「お、おう」
「なんとなくは分かってるんだけど、翔ちゃんはゆりあの事どう思ってるの?今、この場所で正直に答えて」