第28話
俺は自室に入ると服を脱ぎ捨て室内着に着替えるとそのままベッドに倒れ込んだ。
自然と窓の方へ視線がいってしまう。俺側のカーテンは開かれているが、ゆりあの方は閉まったままだ。
考えても頭の中で考えがまとまりそうにないので俺は目を閉じ仮眠を取ることにした。
目が覚め、まだ気だるい感じの残る体を無理やり動かし現時刻を確認する。
19時32分。2時間ほどの仮眠を取ることができた。
携帯を確認するとゆりあからの不在着信が5件、メールが20件届いていた。
寝ている間にそこまで送ってこなくても・・・。
とりあえず、不在着信は置いといてメールを確認した。
件名は最初が、ちょっといい?で、それ以降は全て、起きてるの?ねぇ起きてるの?だった。
とりあえず返信してあげる事にした。
「・・・これでよしっと」
思わず声が漏れてしまった。メールを返信するにかかった時間は実に10分。
いつもなら1分ほどで返信は済ませるが今回は別だ。返信の内容にかなり悩まされたからだ。
悩まされた理由は実に簡単、ゆりあから送られてきたメール20件すべてが同じ文だったのだが内容が内容だった。
“明日、部活終わったら駅前のカフェに来てください。拒否権なし、他人に話したら黒歴史ばらまく”
といった内容だった。
まず、5分かけて、なぜ呼び出されるのかを考え、残りの5分でなんて返そうかを迷った。
さらに黒歴史なんてばらまかれたら俺に残される道は退学しかない。
そしてゆりあからメールが返ってきた。
特に返信してもらえるような内容のメールは送っていないのだが、なんか返ってきたのでとりあえず見てみた。
“やっぱさっきの話延期!ちょっと放課後予定入っちゃったから!”
これだけだった。俺は、了解と返信して夕食を食べるため部屋を後にした。