第27話
俺は一瞬にして脳内が混乱した。
一度、今日の出来事を整理しよう。
暇だったからゆりあと遊園地に行くことになった。それで色々遊んでジェットコースター乗ったら故障してお詫びにホテル宿泊券をもらった。でも実はそれはカップル限定で・・・
俺が誰かに譲るって言ったらゆりあが恋人のフリをすればいいって言い出して俺が勘違いとかされたらメンドクサイって言ったら告ったら付き合ってくれるのってゆりあが言い出した。今ここ。
時間がかかったがなんとか整理ができた。どうやら俺はゆりあに告白される寸前らしい。
「ねぇ、どうなの?告白したら付き合ってくれるの?」
ゆりあが少し怒ったように聞いてくる。
「えっ・・・あ、うん」
俺、今なんて言った?うんって言った?ゆりあの目が怖すぎて慌てて返事したから覚えてないや。
ゆりあの方に目を向けると耳まで真っ赤にしたゆりあが下を向いていた。
どうやら俺は本当にYesと言ってしまったみたいだ。
流石にこの状況が続いてもらっても困るので俺はゆりあに声をかけた。
「な、なぁゆりあ。とりあえず家帰ろうぜ。この件は家に帰ってからじっくりと・・・」
「・・・うん」
まだ耳まで真っ赤に染めたゆりあが短く答えた。
そういってもまだ歩き始めないゆりあの手を俺は多少ためらいながら握った。
一瞬、ゆりあが顔を上げたがまたすぐに顔を伏せてしまった。
そのまま、遊園地を後にした。
無言のまま、ゆりあの手を引きながら歩いていると、すぐに家についた。
「ゆりあ、ついたぞ?」
「あ、うん・・・じゃあね」
「お、おう。じゃあな」
そう言葉を交わすとゆりあは家の中に引っ込んでいった。
俺も色々考えるのは家に入ってからにしようと考え、家の鍵を開け中にはいった。