第15話
「ねー翔ちゃんってさ、もし龍ケ崎高校から推薦来なかったらどうするつもりだったの?」
ゆりあが自分の皿に大量に盛ってある野菜を箸でつかみながら聞いてきた。
「んー別に他に3校くらいからきてたからそのどれかに行ってたんじゃね」
「へー全国で有名になれば勉強しなくてもいいのか。どうりでバカでも入れるわけだ」
ゆりあが笑いながら言ってくる。バカバカと言われ続けているが実際、今までの勝負じゃ俺が勝ち越している。いい加減このバカとばかの対決に終止符を打ちたいのだがなんか楽しいから終わらすのも嫌なので結局勝負は終わらない。
「バカ過ぎたら入れないけどな。そういうお前はなんであの学校入れたんだよ?」
「まー私、めっちゃ天才だからさーもう余裕よ」
胸を反らしながらゆりあが言ってくる。
「あ、裏口入学の天才ですか?まさか。いくら払ったんです?」
「えっとねぇ札束一個だしたら入れ・・・って違うからね!?ちゃんと試験受けて入ったからね!?」
ゆりあが焦りながら言ってくる。ゆりあなら本気で裏口入学じゃないと入れないものだと思っていたが案外、ちゃんとした入学の仕方をしたらしい。
俺の場合、もし推薦が来なくてもギリギリ県内最底辺高校に入学できるとは言われていたが俺でギリギリなのだ。ゆりあだった受ける前から落ちるのがほとんど確定しているだろう。
「まー裏口入学じゃないんならいいんだけ・・・」
そこまで言ったところで俺は気がついた・・・っていうか思い出した。
今は楽しいパーティー中で、しかも母親の前だったのだ。
いつからかは知らないがゆりあのお母さんから猛烈に鋭い視線を浴びせられてた。
俺はそこからパーティが終わるまでの1時間、ゆりあのお母さんの強烈な視線に耐えながらできる限りゆりあ母の方に視線を向けないように頑張っていた。