君に出会えたから - 第2章〜バカとばか〜
第14話
階段を下りると香ばしい匂いが広がっていた。
いつも、夕食の時には特に匂いはしないのだが今日は何かが違う。
俺はドアを開けると食卓の上にたくさんの肉、肉そして肉がたくさん盛ってあった。
いつもなら魚もしくは肉でご飯があって野菜等があるはずなのだが今日は肉とご飯しかなかった。
よく見ると野菜もあるにはあるのだが肉が多すぎて野菜の存在に中々気づけない。
俺がその光景に驚いていると母さんが音もなく机の下から現れた。
「うわっ!か、母さん・・・いたのかよ」

「ずっとーいましたよーっと。それで翔一!あんた何か今日のご飯で気づくことは!」
いかにもそれを言いたかったがために作りました感満載だったがこの場に及んで嘘をついても対して面白くないので正直に答えた。
「んー肉が多い」

「正解!いやー流石よねぇ。こんなにいい子だから入学して初日から幼馴染の女の子を口説けるのよ」
未だにゆりあと付き合ってると本気で思っているらしい母さんがニヤニヤしながら俺の法を見てくる。
「つ、付き合ってねぇからな!?だ、大体、幼馴染ってのを知ったのが今日だってのに!」

「そんなに隠さなくてもいいじゃない。付き合ってなかっても結局仲いいことにはかわりないんだから。そんなことはどうでもいいのよ!さぁなんで今日はこんなに豪華なんでしょう」

「さ、さぁ?」
俺はなんとなく察しはついているがあえて答えないでおいてみた。
「3秒前〜」

「答え言ってくれないのかよ!つか、3秒しかねぇ!」

「2秒前〜」

「えっと・・・んーあー」

「1秒前〜」

「にゅ、入学祝い!」

俺がそう答えると母さんが無言で部屋から出ていってしまった。
ま、まさか回答を間違えた?でも今日はそれ以外になにもないはず。
そこまで考えたところで母さんが帰ってきた。
後ろでなにかを隠しているようだがそれがなんなのかは全く見当がつかない。
その謎のものを母さんが前に持ってきて、なにやら丸い玉のようなものから下に紐が垂れ下がっている。
「翔一、これ引っ張ってみなさい」
俺は言われた通りに紐を勢いよく引っ張った。
すると玉が2つに割れ中からたくさんのカラーテープと共に丸くされた紙が登場した。
そこには、☆祝☆龍ケ崎高校入学、と書いてあった。しかも手書き。
ていうかあれやっぱクス玉だったんだ。
俺がそこまで認識すると誰もいないはずの後ろから声が聞こえた。

「祝!バカの翔ちゃん高校入学!」
俺が声のした方に顔を向けるとそこにはゆりあとゆりあのお母さんが立っていた。

「な、ななんでゆりあがここに!?」
「えーなんかーお母さんが入学祝を翔ちゃんの家でするからーとか言い出して」
ゆりあが補足お願いします、みたいな目でチラチラお母さんのほうを見ているとゆりあのお母さんが口を開いた。
「だって、霧崎さんがサプライズでなんかしよう、って言うもんだからね思いついたのがこれだったってわけ」
なるほど。確かに俺の母さんはそういうサプライズをするのが大好きだ。
いつもより夕食の量がやたらに多いと思ったら木崎親子が来るからだったのか。
親父は仕事で海外に単身赴任なうである。恐らく木崎家も似たようなものだろう。

こうしてバカとばかの高校入学祝いパーティが始まった。


■筆者メッセージ
どうも、Aliceです。

珍しく1日に2回更新できま・・・日付変わってますね。1日に2回更新できませんでしたね。

感想、リクエスト、アドバイス等 お待ちしております。
Alice ( 2013/12/11(水) 00:12 )