君に出会えたから - 第1章〜出会い〜
第7話
活動場所へと着くとすでに部活は始まっていた。
活動開始初日から見事に遅刻した俺だがちゃんと訳があって遅れたのできっと先輩方は許してくれるはず・・・たぶん。
全部員がアップを行っていたので俺は気づかれないまま部室に入り着替え始めた。

数分で着替えを済ませ部室を出たときにはすでにアップが終わっていた。
次のメニューに備えて休んでいるところだ。
俺は早めに追いつこうと急いでアップを済ませ、ストレッチも済ませた。
追いついたのでみんなが休憩しているところに向かっているとそちら側から1人の男子生徒がこちらへと向かってきた。
「おい、霧崎。ちょっと」
向かってきたのは部長の石原謙二先輩だった。
確かこの先輩、去年の大会じゃ県大会すら行けなかったとか・・・
でも統率力は見事なもので顧問からも信頼されており部員も逆らう者は1人たりともいない。
「なんです?先輩」
俺は先輩の元へと駆け寄った。
「お前なんで今日、部活遅れた?」

「生徒指導室にて指導されてました」

「ほぅ・・・なにしたんだお前」

「べ、べつに木崎とどっちがバカかを比べてたら入学式に遅れたとかそういうんじゃないですよ?」

「ほう、入学初日から彼女を作るとは中々に高位スキル持ちなんだなお前。しかも陸部のマネージャーときた」
気づいたときには遅かった。言うつもりはなかったのについ口を滑らせてしまった。
「い、いや彼女とかじゃなくてですね・・・その・・・はい。友達です」

「まぁそう隠すなって。そんで?その木崎は?」

「用事あるから!とか言って走り去っていきましたけど・・・そろそろ来るんじゃないですか」

「そか、んじゃお前も休憩しとけよ」

俺は返事を返すとみんなが休憩している方へと向かった。
石原部長は部室の方へと向かったようだ。

ちょうどみんなのところについた時にゆりあの姿が目に入った。
よく見ると手招きで俺を呼んでいるように見える。
下ろした腰を再び持ち上げ俺はゆりあの方へと向かった。

30mほど歩くとゆりあが突っ立っているところについた。
「ゆりあ。なんだよ?」

「さっきさ、生徒指導室のドアぶっ壊したじゃん?あれのことで謝りに行ってたんだ」
なんと。俺は女の子1人で謝罪させに行かせたのか。なんて最低な人間だ俺。
「それでね?壊したのは全部翔ちゃんです!って言い張っといたから!」
前言撤回。謝罪というか罪を押し付けに行っただけのようだ。
「へぇ・・・んで?俺に弁償しろと」
「そう!30万だって!」
「へぇそう・・・って30万!?あのクソみたいなドアが30万もすんの?」
「うん!期限は明日までだって!明日支払わないと怖い人たちが翔ちゃんの家に押しかけるらしいよー」
笑顔でそう言っているがマジでこられたら困る。

「ってのは冗談だよ?びっくりした?」
「そんなんでビックリするか。それよりお前そのほっぺた、なんでそんな赤いの?」
ゆりあは思い出したかのように手で頬を隠した。そしてそのまま俯いてしまった。

しばらく沈黙が続いたがやがてゆりあが口を開いた。
「えっとぉそのぉ・・・叩かれた・・・」
誰だ!こんな美少女を傷つけた最低な人間は!俺が成敗してやる!
こ、こんなバカを好きになったりはしないけどな!あ、でも好きになるかも・・・
と、俺は心の中で叫んでいた。
「誰にやられたんだ!?今すぐ成敗するでござる!」
俺が忍者口調でいうとゆりあはいつもの笑顔を取り戻し言った。
「べつにいいって!もう終わったことだし!」
「ダメだ!俺の気がすまない!」
女子生徒を1人で謝らせに行かせて更にはそこでぶたれたなんてことを聞いたらやりかえ・・・成敗する以外に方法はない。大体、体罰に入るはず。
「んー先生の事、殴ったりしちゃダメだよ?バカなんだから」

「殴んねぇよ!たぶんな!」

「えーたぶんー?ま、いっか。体育の山本先生。」
山本?そんな先生がいるのか。しかも体育教師・・・俺追い返されないかな。
「わかった。とりあえず話だけ聞いてくるから、ゆりあは部長に適当にいいわけでもしといて」

「はーい。ほんとに殴っちゃだめだよ?でも、ゆりあの敵だー!とか言うなら殴ってもいいよ?」
本当にバカなのはコイツじゃないのかと思いながら俺は校舎の方へと向かった。


■筆者メッセージ
どうも、Aliceです。
ここ最近0時過ぎに更新することが多い気がします。

・・・特に書く事がないので終わり。

感想、お待ちしております!
Alice ( 2013/12/05(木) 00:06 )