第1章
03




ソファに座るなり3人は深刻な面持ちになる。何と言っても囚人が探偵事務所に来るぐらいだ。余程のことなんだろう。泰斗の横へ座った新司は心配そうに3人を見る。


「私はパルと言います。左の子はピース、右の子は名無しです。さっきも言いましたが、私たちは刑務所から脱獄した囚人です。ここへ来たのは匿ってほしいとかそういう依頼じゃなくて、その刑務所が行なっていた悪事に関わった人物たちについて調べてもらいたいからです」


パルが話をすると、新司は息を呑む。一方、泰斗は真剣な目でパルたちを見ていた。


「なるほど。それでその悪事とは一体なんですか?」


「クリーナーと呼ばれる暗殺者を刑務所内で生み出すことです」


ピースから発せられた言葉に、新司は唖然とした。これには泰斗も目を見開いた。


「ちょ、ちょっと待って!犯罪を犯した受刑者の中から暗殺者を生み出す!?どんな刑務所なんだよ!」

「そこは普通の刑務所ではなくて、民間企業が刑務所を運営しているんです。名前はプリズンHOPE。通称『マジすかプリズン』とよばれています。そこはどんな軽い罪だとしても無期懲役となって、プリズン側が模範生と認めた者だけが釈放されます。なにも考えなしに脱獄しようとすれば、腕にはめられている腕輪から毒が放出されて死んでしまう。絶対に逃げられない場所なんです」


そんな所がこの日本にある。ドラマや映画だけの世界だと思っていた新司は余りのことに愕然とする。泰斗は腕を組んで上を見上げ、3人に質問をする。


「どうやってその地獄のような刑務所から脱獄できた?」

「仲間の協力があったからです。私たち以外にもいるんですが、私たちを逃がすために囮になって今もまだプリズンに捕まったままです。みんなを助け出すまで私たちは絶対に諦めません」


パルの話の途中で、名無しは泣き出してしまう。余程大事な仲間なんだろう。それを見て新司の顔つきが変わる。


「今すぐにでも助けに行こう!泰斗さん!」

「まあ、落ち着け。なんの調査も計画もしないまま行きゃ、こっちが捕まるか、下手すりゃ殺されかねねぇぞ」


闇雲にかかれば、プリズン側の思うつぼ。かなり慎重にいかなければ、パルの仲間たちは助けられない。


「じゃあ、どうするんすか!!」

「だから、落ち着け!パル、何か手がかりになるようなものとかないか?潰すなら根こそぎ潰しておきたい」

「これを」


新司の怒りを抑えた泰斗は、パルに質問する。それを聞いたパルは、ポケットからあるものを取り出した。






てねし〜 ( 2016/12/01(木) 18:18 )