01
都内某所。昼間は賑やかな商店街だが、現在は深夜。
「ハァ……ハァ……」
「頑張れ、あと少しだから……」
3人の女性のうち、1人が走り疲れ、立ち止まる。
それを見たカチューシャをした女性が励ましの言葉をかける。
「もう少しすれば……」
「おい!いたぞ!」
「ヤバい!見つかった!」
大人数の大人に追いかけられ3人の体力はほぼ限界に近づいていた。
「いない!どこへ行った!」
「探せ!まだ近くにいるはずだ!!」
ビルの曲がり角の物陰に隠れなんとか追っ手を撒くことができたようだ。だが、このままでは捕まるのも時間の問題。
「……おい、ピース。本当にそいつ信用できんのか?」
1人の女性がピースと呼ばれる女性に不安そうに話しかける。
「大丈夫……だと思うよ。それより名無しこそ大丈夫?ここ数日走ってばっかだから疲れてるんじゃない?」
ピースは少し不安げに告げる。そして、名無しと呼ばれる女性を逆に心配する。
「…私は大丈夫だ!まだ走れるぞ!」
「強がるな、名無し。どう見ても疲れが出てるぞ」
気丈に振る舞う名無しであったが、もう1人の女性に見抜かれてしまう。
「だ、大丈夫だって言ってんだろ、パル!心配すんな!」
名無しは、パルと呼んだ女性に言い返す。
「とりあえず、行こう。ヴェリタ探偵事務所へ…」
3人は追ってに警戒しながらパルの言ったヴェリタ探偵事務所へと向かっていく。