秋元真夏(妖精)
転生
朝がやってきた。

○○は真夏の消滅がパワーダウンさせていたが、夢だと思って、いつも通り過ごすことにした。

歩きながら、夢であって欲しかったけど、昨日の真夏とのやり取りがスマートフォンに残っていた。

歩きながらのスマートフォンの操作は思わぬ事故や〜とどこかのショッピングモールのアナウンスのような状況なので、当然のごとく、○○は通行人とぶつかった。

「ごめんなさい。」

顔を上げたとき、そこに立っていたのは、高校の制服を着た真夏だった。

「え?真夏?」

「そうだよ。○○。」

「でも、なんで?」

「私達の気持ちが神様に通じたみたい。人間に転生出来た。」

「良かった。真夏。改めて、俺と付き合ってほしい。」 

昨日の時点で告白はしているけど、○○は真夏に手を差し出しながら、頭を下げた。

「勿論。でも、○○。時間、大丈夫?」

「急がないと遅刻じゃん。行くぞ。真夏。」

真夏が返事と同時に手を掴んできたので、○○は手を繋ぎ直し、高校へ向かって、走り出した。



真夏が人間に転生して初めての土曜日、○○と真夏は水族館へやってきていた。

イルカショーでお客さんをステージに上げる演出で、イルカのカン君がお客さんの女性にキスをした。

そのとき、真夏が○○の袖を引っ張ってきた。

「ねぇ、○○。キスして。」 

二人が居るのはショーで水を被る可能性がない客席の一番後ろだ。

「チュッ」

「○○。この先はいつするつもり?」

答えを考えるのに夢中になり、○○にはイルカショーが頭に入ってこなかった。

■筆者メッセージ
知る人ぞ知る当時小学生アイドル(現在は成人している)のR12小説を乃木坂の成人メンバーに当てた影響で高校生の物語になりました。
次回はオリジナル、初体験話になります。
光圀 ( 2020/04/06(月) 21:26 )