物語
絡繰り
物事には全て意味がある。

事件があればトリック、絡繰りが存在する。

進士にラブレターを出して、断りの返事を受けた美音は、ヒントをもらう為に、先輩二人に連絡を入れることにした。

「指原さん。・・大塚さん。お久しぶりです。今、お時間大丈夫ですか?」

「本当に旦那の言った通り連絡きた。子供達寝かしつけて、もう寝るつもりだったけど、マネージャーさんのことが好きで私達に相談する為でしょ?」

「はい。その通りで、それで旦那さんは?」

「スタッフとしての仕事が謹慎期間で、今は家に居ないの。事件の日、アイツは貴方に好きなスイーツを聞いたらしいけど、マネージャーさんのことが記憶から消えたってことは前からマネージャーさんのことが好きだったんじゃないかって、伝言もらっている。」

「指原さん。先輩達はどう交際を始められたんですか?」

「支配人の立場を利用してアイツの家を調べて、花嫁修業って言って、家に押しかけた。その前にアイツが私を好き過ぎて倒れたのもあったし、監視も兼ねて。二人して変化球を投げていたから、直球のキャッチボールしたから、今がある。少しは参考になった?」

「はい。ありがとうございます。失礼します。」

一件目の電話を終えた美音にふと疑問が発生した。

「あれ?私、大塚さんとあの事件の前に会ったような・・・。」

時間等を考慮して、もう一人の先輩に美音は疑問もそこそこに電話をかけた。

「先輩。お時間大丈夫ですか?」

「今、収録の途中の休憩時間やから、早めにな。」

「先輩と旦那さんはどう交際を始められたんですか?」

「信じるかどうかはともかく、正輝、家の旦那は魔法で作られた元犬やねん。拾ったその日に人間になって、住所が同じやったから、同居した。私の昔の色んな傷をアイツは癒した。せやから、人を好きになるのに理屈は要らんと思った。参考になった?」

「はい。私も彼と真っ正面から向き合います。」

「義姉さんの言った通り、二度あることは三度あるやな。頑張りや。」

「はい。失礼します。」

美音との電話が終わったとき、一人の男性が彩の元へやってきた。

「彩。収録再開やって。」

「正輝。世界で二番目に好きやで。」

「そんなん、僕もや。」

「一番誰か解っているよな。・・」

『仁!』

二人は収録に戻っていった。



美音は白い空間に立っていた。

「オリジナルの美音ちゃん。」

「私?」

そこに立っていたのは他でもない自分自身、向井地美音だった。

「私は貴方の記憶の一部分とDNAから生まれた俗にいうクローン人間、人造人間。多くの人を守る為に、殺人鬼を道連れに私は命を絶ったけど、アジトが潰れただけ。貴方と大塚さんに迷惑をかけた。」

「貴方は私になったんだね。だから、大塚さんとどこかで会った気がしたんだ。」

「ごめんなさい。百田進士さんのことを忘れさせてしまって。」

「今は良いって思っているよ。だって、忘れたと知らないは紙一重で、百田さんのことを前より知りたいって思ったわけだし。」

「流石、三代目総監督。」

「ねぇ、どうなると思う?私と百田さんの恋。」

「未来が見えたら予言者だよ。それに大塚さん達は壁を壊して、前に進んだ。貴方もそうするんでしょ?」

「うん。逃げられないように思い切り抱き付いて、目を見て告白するの。百田さんも私を思ってくれているはずだから。」

「美音ちゃん。頑張ってね。」

クローンとオリジナルの美音はその場で抱き合い、クローンの美音は粒子となり、オリジナルの中へ吸収されていった。

■筆者メッセージ
クローンの美音がオリジナルの美音の記憶のバックアップをしたのです(^_^)v
光圀 ( 2019/09/14(土) 22:05 )