物語
鼓動
進士が出勤すると、昨日同様廊下に美音が立っていた。

「百田さん。ちょっと良いですか?」

昨日の一件があるので、忘れてほしい等と言われると思って、進士は美音に近付いた。

すると、美音は進士に抱きついた。

「ちょっ、向井地さん!?」

「顔を見て言わせてください。百田さんのことが好きです。」

「向井地さん。離れて。こんなところ誰かに見られたら、他のメンバーに示しがつかない。」

「百田さん。本当にそう思ってます?さっきからずっとドキドキ言ってますけど。」

「当たり前だろ。好きになるなんてどうかしている相手を好きになって、そいつと両思いで、そいつに抱きつかれているんだから。」

「なら、抱き締めてください。」

「だから、メンバーに示しがつかないって。」

そう言いつつも進士は美音の背中に自分の腕を回して、美音をしっかり抱き締めた。

「そういえば」

進士の言葉に美音が反応した為に、進士は美音から身体を離した。

「向井地総監督は仕事に支障を出さないということでしたね。切り替えの時間、仕事の時間です。」

進士は美音に自身の腕時計を見せて、数歩歩いて、振り向いた。

「早くしないと、本当にメンバーに示しがつかないですよ。向井地さん。」

「はーい。」

美音は、わざわざ自分を待ってくれる照れ屋なマネージャーの元へ向かった。

ここに新しいマネージャーとアイドルのカップルが誕生した。

■筆者メッセージ
抱き合った後の展開を迷っていました┐('〜`;)┌
恋人同士の儀式で一話作れる上に、メンバーを絡めるとして誰にするかで一悩み(^_^;)
とりあえず二人だけで話を進めました(о´∀`о)
複合条件(体力のないアラサーを仕事浸けにしていて、通勤手段が車、祖母の介護)で亀更新になると思いますが、お楽しみに(^_^ゞ
光圀 ( 2019/09/04(水) 23:21 )